26話 ページ27
数年ぶりのガラルの大地は意外とそんなに変わってなくて昔の記憶が蘇る。
あらゆる地方のポケモンを観察して考察をしていた私だけど、ガラル地方はあんまり行ったことがない。
あまりにも規模が大きいと感じてしまったと言った方が理由である。
『兄様の連絡によると夕方にシュートシティで合流しよう……って夜遅くに飛行機に乗って朝早くに到着するように計算した私の努力は…?』
気だるい…とにかく気だるい
兄様のマネージャーであることを証明するためにドラゴン使いのマントを羽織ってここまで来た私はただのアホだと言うの?
こんなところでうだうだ言っても時間の無駄なのはわかりきっているので、気晴らしに何処か行くとしよう。
せっかく一日乗車券を買ったんだからワイルドエリアまで足を運ぶのもアリでしょ
ルンルン気分になりつつある気持ちのまま、私は改札に乗車券を通した。
ポケモンの体調は問題ない、メンタルも大丈夫
と言ってもまだ時間があるから心を落ち着かせるために馴染みのあるワイルドエリアに来たは良いのだが…。
?「ふむ…迷った!」
慣れた場所だからと油断してしまった結果がこれである
いつもなら相棒がそばにいるから迷うことは無いのだが、今日は大事な試合があるからあまりボールから出したくない。
さてどうするべきか…この状況を
腕を組み、目の前にいる野生のバンギラスをどうやってやり過ごそうかと考えていると強靭な腕を振り回してきた。
その時だった
?「うぉっ…!?」
横から強い衝撃で突っ込んできたなにかによってバンギラスの攻撃を回避出来た。
黒いマント…?いやどちらかと言うとローブにも近いデザインだ。
深く顔が見えないようにフードを被っているから性別が上手く判別出来ないな
?「君、フードを外して…!」
手を伸ばそうとしたその時、その人はバンギラスに向かって駆け出した。
危険だ…あんなに小柄なのにバンギラスに立ち向かおうとするなんて!
大事な試合がなんだ…人を助けられないのならチャンピオン失格だろ
?「頼む、リザードン…」
『ポケモンを出すな!』
ボールを手に持って投げようとすれば、少し高めの声で邪魔するなと言ってきたことに驚いた。
でもこんなのほんの序章に過ぎなかった
雄叫びをあげるバンギラスに対して戦闘態勢をとるからまさかと思えばさらに驚くことが起きた。
小さな人間が巨体を投げ飛ばしたのだ。
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2021年8月9日 23時