18話 ページ19
野菜をリズミカルに切る包丁の音とぐつぐつと沸騰するお湯の音
料理の音はいいねぇ…ポケモンの次に好きだわ
するとガチャ…と扉を開く音が聞こえてちらりと見ると、ワタル兄様が帰って来た。
『おかえりなさい兄様!』
ワ「ただいま…今日も弁当作ってくれてありがとうな。」
会話の内容が完全に夫婦なのだが、一応私たちは兄妹である。
ほら見てみなよ…キバナが驚いてるよ
ワ「おや?来ていたのかキバナくん」
キ「おっ…お邪魔していますワタルさん。」
先程までジョウトの言葉で会話してたのに即座にガラルの言葉にするワタル兄様ってイケメンだよね。
そしてキバナは少し頬を紅潮させて挨拶してるし…何君たちいつの間に仲良くなったの?
『…昨日の敵は今日の友?』
ワ「まあそんな所だ。というかA…お前キバナくんになにか吹き込んだのか?
明らかに強くなって驚いたぞ」
はてなんの事やら?
私はただ知識を提供しただけであって彼を強くした訳では無いので
クスクスと笑って白々しく答えて夕食作りを再開していると、キバナと兄様は仲良く話していた。
料理の合間に兄様にもお茶を出して彼らの会話を聞いていると、仲の良さが伺える。
ワ「キバナくんには感謝してるよ
まさか妹に友達が出来るなんて思わなかったから。
昔から人付き合いが苦手なのかポケモンの観察に没頭して友達が出来なかったからさ。」
本当に兄が言うようなセリフじゃないと思うんだけど…辛辣過ぎない?
あと言っておくと彼は友達では無いよ?
何も言わずに、聞こえないふりをして料理に集中しているように見せて兄様の言葉を聞いていると、キバナは言葉に詰まってた。
そりゃあそうだよね…一番信頼している兄様にすら話していない私の秘密を先に知ってしまったら気まずいでしょ。
『…食事の準備が出来ましたよ』
ここは私が助け舟を出すか
ちょうど出来上がった料理を次々と出していくとあっという間に食べれる状態になった。
『なにかお話をしていたのですか兄様?』
ワ「いや…なんでもないんだ。」
めちゃくちゃ圧をかけたから大丈夫だと思うようん。
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2021年8月9日 23時