16話 ページ17
無視を続けること2時間
『(あいつまだいる…)』
キバナから逃げるように身を隠して本を読んで、隙が出来たら部屋を出ようかと思ったが、唯一の出入口である扉の前でキバナが座ってるから出られない。
窓から飛び降りようとも考えたけど…結構な高さあるのよね。
『(どうしよう…そろそろ兄様が今日の修行を終わらせて私を迎えに来る時間が迫っているのに…あのガキマジで帰らねぇ。)』
時々ちらりと本棚の陰から様子を見るが、ずっと扉の前に座って本を読んでる。
そんなに私と話したいのかよ…嫌だよ
それにしても、なんであの本を読んでるんだよ。
あれはガラルではあまり使われないカントーとかの文字なのに読むのは難しいぞ。
というかこの世界の文字はどれも難しいよ…前世でも文字の解読が難解であると言われていたもん。
…じゃなくて!
気になる…頭を抱えながらカントー文字の本を読んでるのが気になる
なにこれ罠?
『…それはカントーの生活様式の記録書ですね。かなり古い物なので今の生活様式とは少し違いますよ。』
というかなんて本を読んでんだよ
じろりと彼を見下ろしていると、目を丸くしてこちらを見るキバナは私の手を取って笑ってた。
キ「へへ…捕まえた。」
『言っておきますが私はカントーではなくジョウトの出身ですからね。』
明らかに私を釣ろうとするのはいいけどせめてジョウト地方の本を読めよ。
というか今まで何故私を探していたのかを聞かないとな
『…で、何の用ですか?私はこれから夕食を作るのでそこを通してください。』
頼むから用件はさっさと教えてくれよ
キ「お前に教えてもらった戦い方を試したら格段に強くなった!応用もきくから前よりもナックラーの戦いやすいやり方がわかるようになったんだ。
ありがとうな!」
掴んでた手を離して礼を言うキバナを見て、今度は私が目を丸くした。
えっ…それだけのために今まで私を探してたのか?
わざわざ情報を集めてここに入り浸ってたの?
なんだか…申し訳なくなってきた。
『……一緒にご飯食べる?』
キ「いいのか?」
せめてもの罪滅ぼしをさせてくれ少年
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2021年8月9日 23時