1話 ページ2
転生したと自覚して早いことに10年の月日が経った。
私は10歳、兄のワタルは16歳まで成長をした。
普段から私はワタルを「ワタル兄様」イブキを「イブキ姉様」と呼んでいるのだが、2人とも何故か納得がいかないらしい。
『ではワタル兄様、行ってきます!』
ワ「あぁ…気をつけて行きなさい」
少年にしては丁寧な話し方は大人になっても変わらないんだなぁ…(み○を風)
という巫山戯たことはやめて、私は10歳になる今まで毎日とあることを繰り返していた。
それは山間の山里のフスベシティならではのことである。
『うお…!ハクリューとミニリュウの親子だ…』
朝から夕方になるまでずっとフスベシティとその周辺のポケモンを観察しては生態を考察しているのだ。
野を駆け山を駆け湖にダイブして泳ぐ…そんなことを繰り返してはノートに纏めるもんだから同年代の子供には変人とかポケモンバカと言われてしまって距離を置かれた。
仕方ないじゃん!だってポケモンって見てるだけで楽しいんだもん!
本当ならフスベシティだけでなくジョウト地方…いや世界中のポケモンを見たいところだけど、今は我慢しなければ。
最近になってワタル兄様がドラゴン使いになったばかりなんだから。
そろそろ言うだろう…
ワ「来年、ガラル地方に行って修行を積もうと思うんだ。」
『うん…何故私に行ったのです?』
何故この兄貴は私の部屋に来るなりそんなことを言うの?両親に言ってくれない?
しかもガラル地方って前世ではポケモン最新作の舞台じゃないか。
ん?ガラル地方?
待てよ…ここでワタル兄様について行けば、新しいポケモンを見れるのでは?
本当はカントー地方から旅をして全地方のポケモンの調査をしたいけど、こんなチャンス滅多にない。
『私も…ガラル地方に行きたいです!そしてさらなるポケモンの調査をしたい!』
ワ「急に元気になったな…でも旅もした事の無いお前が一緒にガラル地方に行けるのか?」
うっ…確かにそうだ
カントー地方どころか出身地のフスベシティから別の街に行ったことすらない私がこんなこと言うなんて間違っているだろうか?
でも行きたいものは行きたいのだ
『こんなチャンス滅多にありませんから。
ダメ…ですか?』
ここはひとつ妹のお願いを聞いてはくれませんかねお兄様
潤む瞳を駆使して上目遣いからのお願いポーズをした瞬間、ワタル兄様は降参した。
ワ「ただし、条件がある。」
は?
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2021年8月9日 23時