[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ8)

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五十八話ページ8

ユウガオさんはガチグマを見て首を傾げていた。

荒ぶるガチグマを鎮めた…というより落ち着かせたのはいいけど少し違うというかなんというか。

｢バサギリを鎮めた際にこちらからも輝く光が空に消えていくのが見えていました。｣

｢そう言えばガチグマはバサギリみたいに金色に光っていない…じゃあ一体どうして暴れていたのでしょう？｣

ふむ、ここは私が聞いて真相を突き止めたいところだけど…さすがにユウガオさんやテルの前では出来ないな。

だって私ポケモンと話せることは誰にも言ってないもの。

｢それにガチグマについたこの粉…。

コンゴウ団のヒナツと言う娘、どうしてワシにガチグマの話をしていたのか。｣

そりゃあガチグマが暴れていたからガチグマの世話をするキャプテンのユウガオさんに一番に伝えたのだろう。

ということはガチグマが暴れ始めたところをヒナツは見ていた？

色々と考えていたら耳に入ってきたカミナギの笛の音色。

ハッとして顔をあげればそれはテルがカミナギの笛を吹いていた音だった。

そうか、ガチグマの力を借りる資格を得たという事ね。

『テル、一度コトブキ村に戻ってデンボク団長にガチグマが落ち着きを取り戻したことを報告しに行きましょう。』

ガチグマが荒ぶった原因を突き止めるのも大事だけど、まずは調査隊がガチグマの脅威に怯える必要が無いことを報告しないとね。

そしたら調査隊も仕事が捗るだろうから

なんてことを考えながら私達はコトブキ村に帰ることにした。

昼間に紅蓮の湿地を出発したら帰った頃にはもう辺りは暗い

帰ってくるなりショウが走って私達の元に来た。

切羽詰まったその感じからして何かあったのだろうか。

｢Aさん！団長室に急いで向かってください！

もちろんテルも！｣

何かあったな

テルと顔を合わせ互いに頷くと走って本部に向かった。

階段を駆け上がった先にいたのはデンボク団長とムベさんと…

げっ……嘘だろセキさんじゃん

｢…！

久しぶりだな、A｣

うわぁ…右目閉じてるから何を考えているのか全くわかんねぇ…でもそんなこと言ってる場合じゃないだろ

『団長、何か緊急事態でも？』

すると先程まで少しばかり明るかったセキさんの顔が急に真剣な表情になり、話し始めた。

｢コンゴウ団の峠クイーンのドレディアが荒ぶっていた！

ヒナツめ…俺に隠していやがった！｣

なるほど…本当にあなたは何も知らされてなかったのか。