[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ43)

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九十三話ページ43

突然現れたコンゴウ団のキャプテンであるツバキはノボリさんには挨拶したけど、ついでの私たちは馬の骨扱いして汚らわしいものを見るかのような目をしてきた。

｢大いなる洞窟キングのマルマインに会おうとはなんと大それたことを！｣

うるさいなこの男

さっきからヘイトを高めるような事しか言わない野郎の話は無視したいのだが、ここで大事な話を聴き逃したらまずいので聞くだけ聞くことにした。

｢このツバキ、心優しい男でね…会う資格があるかどうか確かめてあげるとしましょう！

最大級の妨害を持ってしてね！｣

これにはテルも遠慮しておきますとか言って首を横に振ってた。

しかしそれを無視して話を続けたのはツバキだった。

｢ツバキはこう考えている

キングの荒ぶりとはシンオウ様の御加護であると！

だって力を増したのであろう、めでたきことではないか！

キングをとことん荒ぶらせることでシンオウ様にコンゴウ団の正しさをお伝えしなければならないのだ！｣

さすがにキレるぞ

バチンッ!!

口より先に手が出た私は気づいた頃にはもみじ型の赤い痕を顔につけたツバキと目が合った。

少し吹っ飛んだか…まあそんなことはどうでも良い

怒りで息が乱れるのも気にせずに目の前の野郎を睨みつけると私は胸の奥に秘めた怒りを一気に解放した。

『何が御加護だ…何がめでたき事だ…！

貴様の身勝手な考えと行動がコンゴウ団の正しさの証明に繋がるものか！

それは貴様の勝手な妄想だ！

ポケモンにも感情はある！生き物なのだぞ！

笑止千万の言葉が似合う者を見たのは初めてだ…！』

震える身体と真っ赤に染まっているであろう顔を見て怯えるツバキはすぐに立ち上がって洞窟の中へと入った。

やらかした…完全にやらかした

私のせいでテルの仕事に支障が出たらどうしよう

深くため息をついて振り向くと、私はテルとノボリさんに頭を下げた

『申し訳ありません、己の感情のみで動いてしまいました。』

しかし2人は謝らなくていいと言って迷いの洞窟をじっと見つめた。

｢中は暗くゴルバット達が住み着いています。

警戒して通りましょう｣

ノボリさんの提案に私とテルは頷き奥へと進んだ。