[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ39)

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八十九話ページ39

｢やぁやぁやぁ！ギンガ団のボスデンボクさん

ボクへの招待状をお忘れかと思いわざわざ馳せ参じたぜ。｣

時と場をわきまえるという言葉を知らないのかとツッコミたくなるような失礼な態度で勝手に本部に入って来たのはコンゴウ団の衣装を身にまとった長髪の男だった。

相変わらずな性格をしているようで…さすがのセキさんも説教していた。

｢ツバキ！弁えろ！

今大事な話をしているのだ｣

｢だからこそだろアニキ！マルマインのキャプテンであるツバキを差し置いて話はできないよね。｣

一理ある

マルマインのキャプテンであるツバキなしに荒ぶったマルマインを鎮める話をするのは違う気がする。

しかし、なんとなくだけどセキさんはあえてツバキを置いてギンガ団本部まで足を運んでテルに依頼したのだろう。

彼はセキさんに対する想いやキャプテンとしての意地張りが大きすぎて、結果自意識過剰を生み出してしまったんだろうな。

｢話は終わったさ、テルに洞窟キングのマルマインを鎮めてもらう。｣

セキさんの決断にツバキは不服そうだった。

｢アニキどうしたんだよう…？ボクを、いやコンゴウ団をないがしろにして

だいたいそんな弱っちい奴にマルマインを鎮められるとでも？｣

それは聞き捨てならないな

テルを睨みながら馬鹿にするのは、私の…いや我らがギンガ団の団長に対する侮辱と捉えても過言ではないぞ。

『ツバキさんのキャプテンとしての実力や意識の高さは結構…ですが団長の判断を否定するのは許される事ではありません。』

私だってなんでも許す程優しくはないんだ

父でもあり上司でもあるデンボク団長に対する悪意は許されない。

しかしツバキは私を睨んで来た

｢女が口を出すなんて…教育がなってないんじゃないのかい？｣

『…っ!!』

全身の毛が逆立つ感覚になって腹の底からふつふつと怒りが湧き上がった。

足を開き腰を低くして襲いかかりそうになる瞬間、私の肩に団長の大きな手が乗せられて制止された。

｢…テルマルマインを鎮めよ、そしてAはその補佐をしなさい。

ツバキ殿も何かあればご助力をお願い致しますぞ。｣

少しばかり肩に乗せられた手に力が入っていたからすぐにわかった。

団長は私に我慢を命じた、それがあなたの命令なら仕方が無い。

『……御意』

今の私に出来ることは父の言うことを聞くことだ。