[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ37)

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八十七話ページ37

怪我人の女すらも調査隊という理由だけで群青の海岸に行かせたのだから少しくらいは報酬を弾んではくれないかなと思いながら団長に報告をしに行けば、ちょうど調査報告を終えたテルとすれ違った。

後でイモモチを食べようかと小さな声で話しながら。

クスクスと笑いながらも団長の前では真剣な顔で応対した。

『…以上が群青の海岸での調査結果です。』

｢うむ、ご苦労｣

威厳に満ちたその姿に反して私を見る目は完全に父親なのは無視しておこう。

後はこれといって報告することも無いので家に帰るとしよう。

｢…Aよ、お前はもう大人だ。

だが未だに得体の知れぬテルと交流を深めていくのは控えろ。｣

去り際に呟いた団長の言葉に私は反抗の精神が生まれた。

でも嫌だとか断るとか言った言葉を口にするのはやめて聞こえないフリをしてその場を去るしか今の私には出来なかった。

もし叶うのならば、私は今の私を捨て去りたいと思う

そうすればきっとこのヒスイ地方だけでなく多くの地方を旅する程の自由を手に入れることが出来るのではないかと思ってしまうからだ。

なかなか難しい問題であることはわかっている

今は耐えて、雪の下の芽のように

雪解けの瞬間を見極める事に集中しよう

それは進化するポケモンと同じように

『お腹空いた…テル達が待ってるんだ。』