[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ33)

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八十三話ページ33

暴走したウインディに大した策もないのに突っ込もうとするのは愚者のやり方。

解決策を思いつくまでは一度退避するべきだと判断し、彼らは身を引いた。

｢ガラナちゃん！｣

上空から聞こえた声に皆が空を見上げた

しかし見えるのは少しずつ下降するウォーグルの影

ふわりと舞い踊るかのように飛び出し着地したのはシンジュ団の長であるカイだった。

｢ガーディ…いえ、ウインディをどうするの？｣

｢…あたくしはあの子を世話するキャプテンとしてあの子を守ります。

全力で！｣

もう既に決まっていたその意思を変えるのは至難の業と言えよう

しかし、あのままウインディが荒ぶり続ければウインディが苦しむだけである。

どうにか鎮めなければポケモンも人間も苦しみ続けるまさに負の連鎖となる。

｢シズメダマだよ…！

荒ぶるキングについてもちょっとは詳しいよ｣

そう口にしたカイはシズメダマについて説明をした。

荒ぶるポケモンの好物を特殊な技術で加工し、シズメダマと称して投げる。

それがポケモンにとって心を鎮める作用のあるものになるのだ。

｢あの…！その材料なら僕持ってます！

ただ…量が足りるかどうか｣

今から足りない材料を取りに行くには時間が惜しい

その時だった

上空からドサッと音が聞こえて誰もがそちらに視線を向けた。

頭上から聞こえる甲高い鳥の声は先程カイを背中に乗せていたウォーグルのもので、まるでそれを使えと言っているようにも思えた。

｢もしかして…あのウォーグルってAさんのポケモンなのでは？｣

｢なんで知ってるの？｣

質問を質問で返すカイにガラナは呆れていたが、そんなことをしている暇はない。

とにかくひとつでも多くシズメダマを作成してウインディを鎮めなければ彼も苦しむし、人間や他のポケモン達に被害が出る。

無心でやるんだ、彼のためにも皆の為にも