[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ16)

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六十六話ページ16

ドレディアを鎮めた後、ヒナツさんはもう二度と全てを背負い込まないとリーダーであるセキさんに誓った。

更にはユウガオさんと共にこの湿地を守っていこうと話していたのだ。

良いねぇ…こうやっていがみ合っていた勢力が少しずつ飽和していくのは

『テルはすごいね…ユウガオさんの考えを変えて更にはヒナツさんの笑顔を取り戻した。

本来はポケモンを助ける為なのに気づいたら人も良い関係になった事って奇跡だよね。』

｢はい、そうですね…！｣

目をキラキラと輝かせるテルの頭を優しく撫でると、私は一足先にキャンプ場に戻ると言った。

今日もウォーグルに頼り過ぎたから歩いて帰るとしますかね。

くるりと方向転換をしようとした時、肉体が限界を迎えていることをいやでも知ってしまった。

｢Aさん！｣

体を動かそうにも痛くて動かせない

流石にゴウカザルとのじゃれ合いにしては度が過ぎてたよな…

霞む視界で見た景色は泣きそうな後輩の顔と、焦った顔をするヒナツさんと冷静さを忘れずに私に近寄り傷の様子を見るユウガオさんだった。

どういう訳か、その時の私はセキさんを視界に入れなかったんだ。

意識を手放す直前に聞こえたのは誰よりも大きな声で私を呼ぶ

｢Aッ!!｣

私が一番苦手な人の声だった。

意識が飛んだのはほんの数時間で、気づいたらキャンプ場で包帯ぐるぐる巻きの状態だった。

流石にギョッとしたよ

見たところ打撲に火傷、あとは一番悪くて肋骨を2本やったといったところか。

コンゴウ団とシンジュ団の方にはに迷惑をかけてしまったな…後輩には心配をかけてしまったな。

欠伸をしながらゆっくりと起き上がってのそのそとテントから這って出る。

相変わらず湿地は泥の香りが鼻を通る、しかし不快感はない。

立ち上がる事は出来るみたいだし問題ないか。

ラベン博士に後ろから話しかけたら化けて出てきたとか言われるし…失敬な

｢それにしても目が覚めて良かったです。

テルくんはAくんが目覚めるまで湿地を調査すると言って出掛けていますが…連絡しますか？｣

『いえ…私も湿地を調査するので彼には夕方頃戻るとだけ言っておいてください。』

こんな体で調査なんてするんじゃないと言われたけど無視をしてフラフラと湿地を歩き回る。

｢こんな所で何してんだお前…｣

後ろから話しかけるのやめてくれないかなぁ？