[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ11)

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六十一話ページ11

紅蓮の湿地に到着すれば、私達は分かれて行動した。

セキさんは舞台の戦場に一足先に向かい、私とテルはヒナツさんを探すのだ。

『テル、君がガチグマを呼んでヒナツさんを探して

私は上空から探します。』

ボールからウォーグルを出して背に乗ると先に動き出した。

右目の眼帯を外して目を凝らすと見える色んな感情だったりポケモンの行動パターン

とにかくこの目は見えすぎるから頭が痛くなる。

でも見つけないと

下を見ればガチグマに乗ったテルが一直線に特定方向に走っている。

その先に見える悲しみの感情

なるほど…ガチグマの様子を見ていた時に流れていたのはあなたの感情でしたか。

一度下降してテルにヒナツさんのいる方向を教えると、ガチグマに頼むと言って速度をあげた。

少し登った崖の丁度真下、そこには足を心配そうにさすってはため息を着くヒナツさんがいた。

テルはガチグマと迂回ルートを探してくると言ってその場を離れ、私はウォーグルの足に掴まりながらゆっくりと下降した。

『こんなところでカゴいっぱいの素材…本当に一人で全部を背負い込もうとしたのですね。』

突然の私の登場に困惑するヒナツさんだけど流石はキャプテン

すぐに冷静さを取り戻してガチグマの心配などをしていた。

普通の人間なら自分の事で精一杯なのにこの人は違うんだなと思わされる。

迂回ルートでやって来たテルとガチグマの登場にヒナツさんは安心していた。

｢テルは強いんだな…シンオウ様の力をもらったポケモンの子孫であるガチグマに力を借りて私を見つけるなんて。

アタシは…バチが当たったのかな、ポケモンに追われて足を捻っちゃった。｣

なるほど、だからこんな所に隠れるように居たというわけか。

するとビーダルと一緒に現れたのはシンジュ団の老婆ユウガオさんだ。

ヒナツさんを見るなり、歩み寄ってその様子に焦っているヒナツさん。

しかし彼女が予想していたような事は起きなかったのだ。

｢このとおり謝りますよ…コンゴウ団の娘だからとあしらった事も全部私が悪かったね。｣

ヒナツさんは何も悪くないのだ

ドレディアが荒ぶったのだって時空の裂け目からの降ってきた雷の影響だし、ガチグマだってドレディアの粉の影響だし。

ヒナツさんは二体のポケモンを助けようとしただけ…ただそれだけの事は称賛されるべき素晴らしい事なんだ。

よく頑張った…そんな想いを込めて優しく頭を撫でたのだ。