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空気を劈いた言葉が、リビングを駆ける。つられて溢れ出たものは、堰を切ってAを押し潰してしまう。押し潰した直後、我に返った彼女の手が口を覆いはっと息を吞んだ。続けて火照った顔から血の気が引いていく。
「ち、が、違うの。私そんなこと思ってなんて、わたし、」
焦点の怪しいルビーが不自然に揺れた。自分の罪を咎めるように、ぎ、と歯噛みして肩を震わせる彼女に、カルマがソファに片膝を突いて肘掛けに埋めていた方の手で抱くように引き寄せた。
「いいよ、浅野さん。それでいいから」
絞首台で自らかけていた縄を、慎重に緩めていく。自分より幾らか低い体温の温さにAの肩が跳ねた。
「誰を責めてもいいから、子供みたいに泣き喚いていいから」
閉じ込められた腕の中で、カルマの穏やかな声が鼓膜を打つ。寝技に近い形で大仰に震える体を抑えた彼の下で、行く先がなく迷子になっていた手が空を切った。
「辛いとか、悲しいとか、全部吐き出していいから。だから、」
そこから先が、カルマにはいえなかった。だから、堪えるなと？ 一人で抱え込むなと？
────────
「……電話終わったの、殺せんせー」
理事長先生からでしょ？ と続けたカルマに反応して、席を外していた触手がぬるんとリビングに這い出る。肯定も否定も飛ばして、殺せんせーは通話を終えたばかりの端末を片手に、空いた手で額に触手をやった。
「詳しい理由は詳しい理由はお聞きしませんでしたが、家庭の事情で暫く預かっていてほしいとのことでした。それでですね、……」
「いーよ、うちにいてもらって。知らないところで浅野さんに何かあったら後味悪いし」
何せ大雨の中傘もささず自分の体調を顧みることすら碌にできていなかったのだ。殺せんせーに任せてもよかったのだが、誰に預けたか尋ねられた時に超生物の担任と口を割るわけにはいかないし、残りの教師陣二人にしても多少なりに懸念が残る。それならばまだ目の届く範囲に留まっていてくれた方が彼にとっても都合がよかった。
「……大丈夫ですか？」
「さあ？ そればっかりは浅野さんに聞かないと」
「いえ、先生が心配しているのはカルマ君です」
「は？」
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窓(プロフ) - 星咲夜空@スマホさん» コメントありがとうございます！これから浅野さんがどうなるのか、他のキャラクターとの絡みも含めて楽しく読んでいただけるよう更新頑張りますので、気長にお待ちください！！ (2022年6月26日 19時) (
レス) id: 1c42528565 (このIDを非表示/違反報告)
窓(プロフ) - カミレさん» コメントありがとうございます！浅野さんがこれからどうなるのか、私自身決めかねている部分もありますが最後まで楽しんでいただけると幸いです……！！ (2022年6月26日 18時) (レス) id: 1c42528565 (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空@スマホ(プロフ) - あ、浅野さんー！が、がんばれー！これ続きが気になる……どうなるのこれ…… (2022年6月1日 22時) (レス) @page21 id: 2efeb2cec1 (このIDを非表示/違反報告)
カミレ(プロフ) - 胸が痛いです。すごく、すごく、浅野さんの気持ちが痛いくらいに伝わってきます。がんばって浅野さん！！ この作品本当に大好きです！丁寧な描写がすごく好きです！ (2022年5月31日 9時) (レス) @page20 id: ac25ff3042 (このIDを非表示/違反報告)
窓(プロフ) - 猫さん» 遅れてしまってすみません、コメントありがとうございます！更新が滞っていますが楽しんでいただけると嬉しいです！ (2022年4月19日 22時) (レス) id: 1c42528565 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：窓 | 作成日時：2022年3月22日 20時
