俺、あいつんとこに泊めてもらえるみたいです。

ずるい ページ46

Ki side


｢そんな…突き飛ばせって…｣


“ 嫌なら ” って…そんなこと…

俺が思うとでも思ってんのかな、藤ヶ谷は。そんなこと…あるはずないのに。

ここ最近、俺ばっかりが藤ヶ谷のことが好きで、この気持ちは一生自分の中にしまっておくんだろうなって思ってた。

でも、そんなことないみたい。ここまできて勘違いなんかじゃないよな、うん、きっと大丈夫。


背後から俺を抱きしめる藤ヶ谷の腕に、そっと自分の腕を重ねた。


｢逃げればって…どこにだよ…｣

｢っ…北山…｣

｢俺が逃げると思う…？｣


そういうと、俺を抱きしめる力が強くなった。


｢北山…好きだっ…ちゃんと、恋愛として。｣

｢っ……｣

｢ずっと、言いたかった…。でも北山は男で、ましてやメンバーの俺なんか好きになるはずないし、こんな気持ち伝えてもってずっと考えてた。｣

｢…んっ…｣

｢だけど、きっと北山も同じ気持ちだって思ったの。だから、だから確認させて？…北山の気持ち。｣


そういうと、藤ヶ谷は抱きしめる体を離して、俺の目の前に移動して座った。


｢…聞いてくれる？俺の気持ち。｣

｢…ん…｣

｢ありがとう、北山のそういう優しいところが好き。キスマイの先頭に立って引っ張ってくれるところも好き。頑張り屋さんなところも好き。何事にも真正面から向き合うところも好き。可愛い寝顔も好き。ちょっと抜けてるところとか、体調崩しやすいところとか、全部好き…。｣

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