俺、あいつんとこに泊めてもらえるみたいです。

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Ki side



俺が

藤ヶ谷を

好き…。



何でだろう…。それを認めたくない自分と、認めるしかないんだろうなって思う自分がいる。

こんなの絶対おかしいって、メンバーだし、アイツだし、絶対ダメだって頭では分かってるんだけど…。でも、こんな気持ちになんのは、きっと藤ヶ谷のことが “ 好き ” だからなんだろうなって…思う。


｢まじ…か…///｣

｢俺、みつなら上手くいくと思うよ？｣

｢なっ、何言って…///｣

｢そう思ったからそう言っただけ〜。みつには幸せになって欲しいもん。ファイトだよ〜。｣

｢ぁ、お、おう…｣


手をヒラヒラさせながら、俺の元を離れていった玉森。


｢幸せになって欲しい…か。｣


そう思ってくれるのはほんとに嬉しい事だけど…藤ヶ谷は俺のことただのメンバーとしか思ってないだろうし、俺男だし、藤ヶ谷の好きなミニスカートにニーハイブーツとか出来ないし…

何気なく藤ヶ谷のいる方を見ると、同じタイミングでこっちを見た藤ヶ谷と目があった。

いつもはだいたい藤ヶ谷の目を見れば言いたいこととかやりたいことが分かるけど、今に関しては、1ミリも分からない。


早く目をそらしたいのに、そう出来ないのは藤ヶ谷が真っ直ぐな目で俺を見つめているから。

そして、俺はそんな藤ヶ谷を好きだから。


時間にすればほんの10秒ぐらいだったと思う。
それでもその10秒だけ、ふたりの間になんとも言えない、焦れったい空気が流れた。


絡み合った視線は藤ヶ谷によって外されたけど、その後も胸がドキドキして、苦しくなったっていうのはここだけの秘密。


藤ヶ谷が目をそらしてから、苦しそうな顔をしていたことを、俺はまだ知らない。

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