俺、あいつんとこに泊めてもらえるみたいです。

感じる視線 合わない目 ページ37

F side



お、皆さんこんばんは。

藤ヶ谷太輔です。初めましてになるよね。
…あ、北山の方で色々喋ってるの見た？あ、そっかそうだよな…じゃあ、あの事故のことも知って…るよねそうだよね。


その、北山はあと一週間ちょい俺の家にいるでしょ？だから気まずくなるの嫌で、俺は普通に接してる…っていうか接したいんだけど…


｢おはよー北山。｣

｢ぅおっ！…ぉ、はよっ…｣


｢北山ー、この曲なんだけど…｣

｢い、いいと思ういいと思う！｣


｢そんな甘いの飲むっけ？｣

｢ん？…ぁ、あー間違えた！！｣


…っとまあこんな感じで、なんかいかにも “ 気にしてます ” 感が出ちゃってるのよね。ほら、今も後ろのソファからめっちゃ視線感じるもん。絶対北山だから。


そんなに見られたら背中に穴あくって。

そう思い、くるっと後ろを振り向く。


｢ぁ、…｣

｢………｣


やっぱり視線を送っていたのは北山だった。一瞬目が合ったかと思えば、すぐにそらされてしまうわけで。


｢ねぇ、みつと何かあった？｣


隣に座っている渉が、小さい声で聞いてきた。


｢んー、あったっちゃあったけど、北山が気にしすぎてるんだよなー。｣

｢ふーん…でもさ、太輔も太輔じゃない？｣

｢…何が？｣

｢今日はいつにも増してみつのこと見てるなあって。｣

｢…へ？…俺が？｣


衝撃だった。ちょっと…いや、かなり。

今日はよく北山が目に入るなあって思ってたのは、全くの俺の勘違いで、俺の目が北山のこと探して、北山のこと追ってたんだ…。


｢うわ…まじか…///｣

｢あーあ、藤北がラブラブだよー。｣

｢え！何？藤北の話！？｣

｢ぶーー！！！｣

｢うわ、みつ汚ったな！！｣

｢も…なんなんだよ…//｣


藤北というワードに過剰な反応を見せる健永と、それ以上に素晴らしいリアクションをした北山。

めっちゃ気にしてんじゃん…。

でも、1番気にしてるのは俺なのかも。


だって、さっきから、北山のことで頭がいっぱいなんだ…。

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