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ページ36

Ki side



反射的にギュッと目を瞑ってしまう。こんとき目開けてれば、あんなことにはならずに済んだかもしんねえのにな。


ドンッ!!


体に強い衝撃を受けた。藤ヶ谷が受け止めてくれたけど、流石の藤ヶ谷でも踏みとどまることは出来なくて、二人して階段の踊り場に転がる。

体が宙に投げ出されて、そのまま落ちてく。その下には藤ヶ谷が横たわってるわけで。


この時俺は、人生初めてのスローモーションを体験した。ほら、アニメとかでよくあるでしょ?なんか危ねえ時とかに時間進むのが遅くなるやつ。そう、今それになってるの。


ゆっくりゆっくり藤ヶ谷のいる所に落ちていってる。頭の中では色々考えられんのに、それを行動にすることはスローモーション中だからできない。…まぁ、できないっていうか、ゆっくりだから間に合わないってのがほんとの所。


こんなこと考えてる間にもゆっくり時間は進んでて、今丁度藤ヶ谷の上に落ちたところ。でも手は床につけたから藤ヶ谷が潰れることは阻止できた。


やば…勢い殺せねえっ…


腕で踏ん張ってはいるものの、それなりに宙に浮いてた分の勢いが殺せず、俺の体はどんどん藤ヶ谷に近づいていく。気づけば目の前に藤ヶ谷の綺麗な顔。


ぁ、お、おい!!!
時間っ!止まれ!!!


そんな俺の願いは届かず、案の定、俺と藤ヶ谷の距離が0になった。その瞬間、スローモーションが解けて普通の時間に戻る。



「…な、///」

「わ、わり、勢い殺せなくて…///」

「まぁ、怪我してないなら、いいんだけどさ…//」

「悪いな…当たった所よくなかった。」

「俺も無事だし、そろそろ帰ろっか。」


そう言って散らばった荷物をまとめ直して、階段の続きを降り始める藤ヶ谷。俺もその後に続いた。


「藤ヶ谷ー、」

「ん?」

「唇、切れてなかったか?」

「…こっちはせっかくなかったことにしようとしてんのに!!」

「…あ」

「これは事故だったの!だからもういいの!」

「ははっ、だ、だよなー!…」

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あんころもち(プロフ) - えみさん» 温かいお言葉ありがとうございます;;;;そう言っていただけて嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします。 (2018年10月25日 5時) (レス) id: 853842a74e (このIDを非表示/違反報告)
えみ - 読ませていただきました!藤北担として最高なお話です!!!面白いです!!!これからも応援してます^_^ (2018年10月25日 0時) (レス) id: cccd9ed620 (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち(プロフ) - manikifuさん» コメントありがとうございます!更新できずすみません、、必ずしも戻ってきたいと思っています!これからも応援よろしくお願いします! (2018年8月28日 18時) (レス) id: 853842a74e (このIDを非表示/違反報告)
manikifu(プロフ) - あんころもちさん、いつも楽しく読ませていただいてます(*^^*)学校始まったら大変ですもんね… このお話すごく好きで、更新を楽しみにしてました(*´ω`*) もどってこられるのを待ってますね♪学校頑張ってください(/≧◇≦\) (2018年8月28日 7時) (レス) id: be83be4342 (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち(プロフ) - え みかさん» メンバーの誕生日だったりするとスクショしたくなりますよね!めっちゃわかります!ありがとうございます。がんばりますね! (2018年8月20日 17時) (レス) id: 853842a74e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんころもち | 作成日時:2018年8月12日 17時

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