俺、あいつんとこに泊めてもらえるみたいです。

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Ki side



せめて曲の方向性ぐらいは決めておきたいところ。

…だけど、話はなかなか進まなくて、


｢バラードでしっとりでもいいんじゃない？｣

｢でも、俺らが求められてんのって絡みとかじゃねえの？｣

｢それが全てってわけではないんだけどなあ…｣


結局、みんなが帰ったあともずっと話し合いは続いた。だんだん決まってきた次のアルバムの雰囲気や曲調を考えながら、バランスも見ないといけない。


｢そろそろ帰って休みなー？｣

｢…スタッフさん…｣

｢今日はなんか決まんなそうじゃない？｣

｢…まぁ、そうですね…｣

｢それに今同じ家に住んでるんだったら、帰ってからでも話はできるじゃん？ここにいたら休まらないでしょ？｣

｢…ありがと、お言葉に甘えてそうさせてもらうわ。｣

｢うん、すみません遅くなって。｣

｢大丈夫大丈夫。車出してくるから、CDとかケースに入れて運んどいてもらっていい？｣

｢了解しました〜｣


マネが車を出しに行ってる間、2人で散らかったCDの片付けを任された。ケースに入れて持とうとしたが、1人で持つにはなかなかの重量。藤ヶ谷にも手伝ってもらって少し離れた部屋に運ぶ。


｢あ、そこケーブルあるから。｣

｢んあ？お、危ねえ引っかかるところだった。｣

｢だから言ったんじゃん。｣

｢もっと早く言ってくれよ、後ろ向きで見えねえんだから。｣


あーだこーだ言いながらも、無事に運び終える。スタッフさんを待たせちゃ悪いから、二人とも急ぎ足で楽屋の荷物を取りに行った。


｢なんでエレベーター壊れてんだよ…｣

｢仕方ないでしょ。階段で行こ。｣

｢これ結構足に来るんだよな…ぅお！？｣


一段降りたそこには、あるはずの段がない。…どうやら俺は足を踏み外したみたいだ。

やばい…落ちるっ…！

その時、少し先にいる藤ヶ谷が気づいてくれて、驚いた表情をしながらも、俺に手を伸ばしてくれた。

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