俺、あいつんとこに泊めてもらえるみたいです。

ダブルベッド ページ14

Ki side



｢俺もベッドで寝んの！？｣

｢んー…それしかなくね？｣


いや、俺はソファで寝るしかなくね？って思ってたけど、藤ヶ谷はベッドに寝るしかなくね？っていう考えなわけ！？

でも、俺は男だし、藤ヶ谷も男。男同士で同じベッドって…問題ありありじゃねえか！


｢藤ヶ谷…お前熱でもあんのか？｣

｢え？別にないけど。｣

｢俺男だぞ？｣

｢は？知ってるしそんなの。｣

｢だ、だって、狭いベッドにふたりきりは、色々とまずくねえ？｣


そう言うと、藤ヶ谷が一瞬目を見開いて、すぐに大きなため息をついた。


｢なんでそういう思考になるわけ。俺は、ダブルベッドだから2人で寝ても狭くないかなって思ったの。｣

｢へ？あ、ダブルなの？｣

｢シングルなんかじゃゆっくりできないじゃん。｣

｢あ…あー、そういうことかー！それなら別に変じゃないよなー！…｣

｢はぁ…北山って変態だね。｣

｢なっ…！お、お前も大概だぞ！！｣


ほら、早く寝るよ。

そう言ってだだっ広い家を歩く藤ヶ谷の後を追う。“ 男同士だから色々とまずい ” とか、そんな変な想像をしてしまった自分が恥ずかしい。メンバーだぞ？そんなことありえるわけねえじゃんな！ましてや藤ヶ谷。…ない、絶対ない。


｢ねぇ、寝ないの？｣

｢え、あ、寝ます寝ます…。｣


藤ヶ谷が自分の右側を空けて、俺のスペースを取ってくれている。無意識なのだろうか、それとも、これもまた実家で教えられてきたのだろうか。

左手で布団を上げ、右手で俺の寝るスペースをポンポンと叩いている。

はぁ、それさ、女の子にやんなきゃ意味ねえだろうが。なんで男の俺にやってんだよ…。別にここでキング発動しなくてよくねえか？

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す