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引越し当日。私は岡崎駅にいた。
りょうくんには駅にいると伝えたが姿が見えなかった。大会も近いって言ってたから部活休めなかったのかな。
もう少しで電車が来る。それに乗ったらもう会えない。
最後にもう一度会いたかった…と思っていると、遠くから背の高い彼の姿が見えた。
『りょうくん……!!』
り「遅くなっちゃってごめんね」
『ううん。りょうくんが来てくれて嬉しい』
り「そうだ。これ…」
りょうくんの手には変哲もない普通のノートが持っていた。
『これは?』と聞くと、「開けてみて」と返ってきた。
『……えっ!?なにこれ?』
ノートにはりょうくん達が描いたイラストに、皆で遊んだりご飯を食べた時の写真が貼っていた。
『りょうくん、これって…』
り「Aちゃんが転校するって話を聞いて皆で頑張って作ったんだ」
ペラペラとページを捲ると皆からのメッセージも書かれていた。
【アメリカに行っても元気でね!俺Aちゃんのこと忘れないから!! てつや】
【Aちゃんと同じクラスで楽しかったよ!!またお絵描きしようね!! しばゆー】
【Aのおかげでテストでいい点とれた。ありがとな。帰ってきたら英語教えてくれよな としみつ】
【短い間だったけどありがとう!!体に気をつけてね!! ゆめまる】
【離れていてもAちゃんの事忘れないから。必ず夢を叶えて戻ってきてね りょう】
『みんな……ありがとう!!』
私の為に用意してくれて涙が出てきそう。
『……あ、そうだ』
私はりょうくんに丸めた1枚の紙を渡した。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2021年11月22日 0時