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引越し前日、私は学校に行って先生に挨拶しに来た。
「アメリカでも元気で頑張れよ」
『はい。ありがとうございます。失礼します』
挨拶が終わり職員室から出る。
もうこの学校とおさらばか……
転校なんて何度も経験してるのにどうしてだろう……
この学校が名残惜しく感じる。
時間もまだあるから校内を探索でもしようかな。
とりあえず教室にでも向おうと、私は教室へと足を進めた。
教室に入ると、やっぱり夏休みって言う事で誰もいなかった。
私は自分の席に座り黒板を見つめる。
そういえば転入初日の放課後に黒板アートしていたなと思い返す。
あの後りょうくんにバレて2人で色々絵を描くうちに友達になって……その後しばゆーくん、てつやくん、としみつくん、ゆめまるくんと友達になった。
皆でお弁当食べたり、遊んだり…楽しかったなぁ。
初めてできた友達でもあって離れ離れになるのも寂しい。
『……あれ?』
前の席のしばゆーくんの机の中にシャープペンと数枚の紙が入ってるのに気づく。
……そうだ。皆に内緒で絵をプレゼントしよう。
私が出来ることはこれしない。
どうか私が岡崎に戻ってくるまで持っていて欲しいな。
5枚の真っ白の紙には私がいつも描いているオリジナルキャラと、りょうくん達がミニキャラと化したイラスト。
そして1枚ずつ個々に向けたメッセージを綴った。
『……うん。これでいいかな?』
完成したイラストは折り畳んでりょうくんの机の中に入れた。皆喜んでくれるかな。
そして最後に私は黒板の前に立ちチョークを手にする。
カッカッカッ……
『……出来た』
私は黒板にある絵を描いて教室から去った。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2021年11月22日 0時