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私の席に行くと隣には背の高い人が座っていた。
他の人と比べても段違いで顔では見せていないが驚いている。
り｢…大丈夫？｣
『……!!』
福尾くんは心配そうに私の事を見てきた。
そんな私は恥ずかしくなり急いで自分の席に座った。
｢瀬川はまだ来てばかりだから…うーんと…あ、福尾。放課後学校を案内してくれないか？｣
り｢わかりました｣
その後担任は淡々とこれからの流れを説明していくも、中々ついていけないと思っていると、隣の席の福尾くんが私の肩をちょんちょんと突いてきた。
り｢困ってることがあればなんでも言って？｣
福尾くんは優しそうな表情を見せてくると私も少し安心したのか、『コクリ』と頷いた。
***
そして放課後。
さっきまで教室にいたクラスの人達は帰宅や部活へと向かっていた。
私はこれから福尾くんに学校内を案内してくれる。
まだ会ってから間もないから緊張が走る。
り｢それじゃあ行こうか｣
福尾くんは教室から出ると私も後を追った。
り｢ここは音楽室。その奥が──｣
福尾くんはこんな私を優しく教えてくれる。
どうせすぐに転校するのに
そんな事考えていると私達は最後に美術室に到着した。
美術室の前には生徒が描いた様々な作品が掲示されていた。
『綺麗だな……』と私はつい作品を刮目していた。
私もいつかこんな風に……
り｢瀬川さん？｣
『……!?』
り｢これで全部の教室紹介したけど、気になるとこある？｣
『だ、大丈夫…です』
り｢それじゃあ俺部活あるから。じゃあね！｣
福尾くんは笑顔を見せながら、私から去っていった。
私も1人になったおかげか、今までの緊張が切れた。
やっぱり私は人と話す事が苦手だな。
しかも男性と話すなんていつぶりだろう。
福尾くん嫌な気持ちになってないかな…？
『……帰ろう』
初日だからか疲れが溜まっている。
荷物は教室に置いたままだから教室に戻ることにした。
教室へ戻ると日中は賑やかだった教室も誰も居なく閑散していた。廊下にも物音が無く多分校内は私だけ。
私は黒板の前に立ち、チョークを手にする。
カッカッカッ………
私は物静かに黒板に絵を描き始めた。
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作者名：ぺぺぺ | 作成日時：2021年11月22日 0時
