特効薬は俺2

80.としみつside ページ32

と｢……ん？今何時だ？｣


目が覚め、近くにあったスマホの画面を見ると10時36分と表示されていた。


と｢やっべ!?寝坊じゃん!!｣


久々の寝坊だ。俺は急いで支度する。
いつもなら決まった時間にAを迎えに行ってるのに、思いもよらない結果だ。


そういえばAは先にスタジオに行ったのか？
スマホには着信履歴もLINEの通知も無かった。


Aのやつ怒って先に行ったのか？
まぁとりあえず急いでスタジオに行かねぇと玄関で靴を履いてるとスマホが鳴った。
Aか？と思うと、そこには虫さんの名前が載っていた。


と｢もしもし虫さん？わりぃ今から行くから｣


虫｢うん。それはいいんだけど、サクラちゃん知らない？｣


と｢サクラ？｣


虫｢うん。サクラちゃんまだ来てないんだよね｣


Aがいない？それはどういうことだ？
俺の頭の中はハテナがいっぱいだった。


虫｢さっきから皆でサクラちゃんに連絡してるんだけど出ないんだよね｣


し｢あっ！さっきとしみつのマンションの前通ったら、玄関に引越し業者の人いっぱいいたなぁ｣


遠くからしばゆーの声が聞こえた。
俺のマンションに引越し業者？


……はっ!!もしかして玄関が空いてるうちに奴らが…！


と｢虫さん！電話切らないでそのままにしてて!!｣


虫｢ちょっ!?と、としみつ!?｣


俺は虫さんとの電話を切らず、彼女の部屋へ向かった。





ピンポーン……


……でない。やっぱり彼女はいないのか？
俺はドアノブを握るとガチャっと扉が開いた。


と｢開いてる？｣


俺はゆっくりと彼女の部屋に入った。
玄関には彼女の靴だけではなく、男物の靴が脱ぎ散らかっていた。


これはもしや……
すると何処からか男の声が聞こえた。


｢A、いつまで怯えてるの？俺は君の事愛してるんだよ？｣


｢これが終わったらお家に帰ろう？好きな物なんでも買ってあげるから｣


この声はあの義父兄だ。
やっぱりアイツらがAを……！


俺は声がする部屋に向かい、思いっきり部屋の扉を開けた。


と｢Aから離れろッ!!｣

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