44 ページ45
ピンポーン
インターホンを押すとすぐにとしくんが扉を開けてくれた。
と「いらっしゃい。入って」
『お邪魔します』
家に入ると何個かダンボール箱が置いてあった。
やっぱり引っ越すんだと思い少し気が落ち込む。
場所はどこなんだろう。
市外?それとも東京?
これから遠距離になるのかと思い、更に落ち込んでしまう。
『としくん…』
と「どうした?」
『ここを引っ越すのって本当?』
と「…!?それどこから!?」
『さっきしばゆーさんから…』
と「ったく、しばゆーの野郎」
『引っ越すってどこに…もしかして東京?』
私は不安な顔をしていると、としくんは私の頭をポンと撫でてきた。
と「心配すんな。俺は岡崎から出ないよ」
としくんは私に新しいマンションの場所を教えてくれた。
『私の家から近い…』
と「だろ?あとAに渡したい物があってな」
『渡したい物?』
としくんはポケットから東海オンエアのキーホルダーが付いている鍵を差し出してきた。
『これは?』
と「新しいマンションの鍵。A、良かったら俺と一緒に住んでくれないか?」
『…え?』
と「ダメならいいんだ…」
としくんは鍵をポケットに戻そうとすると、私はとしくんの手をギュッと握りしめた。
『わ、私…としくんと一緒に住みたい。一緒にいたい!!』
と「A…ありがと」
私はとしくんから鍵を受け取った。
と「…にしても」
『…?』
と「しばゆーの野郎。Aには内緒にしろって言ったのに!」
この後しばゆーさんがとしくんに怒られたのは別の話。
108人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2021年8月18日 22時