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しばらくして、としくん以外のメンバーは和菓子を買って帰り、さっきまで賑わってた店内が静かになった。
『皆帰っちゃったね』
と｢そ、そうだな｣
今はとしくんと2人きりになりまた胸がドキドキする。
『そ、そういえば…どんな動画を撮るの？』
と｢あ、説明してなかったな。このシリーズの続編なんだけど…｣
としくんは自らのスマホを取り出し、そのシリーズの動画を見せてくれた。
『え!?このシリーズ撮るの？私このシリーズ大好きなの!』
と｢へへっ。嬉しいな｣
『あ、私ここのシーンが好き！』
と｢どこどこ？｣
としくんはスマホを持ちながらお互いの肩が触れる程の距離に近づいてきた。
としくんが近い!!
更に胸がドキドキ鳴り響き、としくんに聞こえちゃうかと心配しちゃう。
と｢A？｣
『としくん……』
と｢なんだ？｣
『としくんって付き合ってる人っているの？』
と｢……は？｣
『ご、ごめん！聞かなかった事にして！』
ど、どうしよう…
としくんになんてこと聞いちゃったんだろうう。
と｢付き合ってる人は居ないけど、好きな人はいる｣
『そ、そうなんだ』
好きな人……どんな人だろう…
私はついさらに質問を続けた。
『その人はどんな人なの？』
と｢可愛くて、健気で、頑張り屋で、ずっと傍にいたい人だな｣
としくんが好きな人……
私にはかけ離れていて自分じゃないと落ち込む。
と｢A｣
としくんは私の名前を呼んで両手を握った。
『としくん？』
と｢俺………実は…｣
としくんが何か言いかけた途中で、としくんのスマホに着信が入った。
と｢…しばゆーからだ｣
『どうしたんだろう』
と｢どうした？｣
し｢あ、としみつ。まだ店にいる？｣
と｢あぁ｣
し｢良かったー。実はてつやがスマホ忘れたぽくてさぁ｣
と｢はぁ？何してんだよ！｣
私はとしくんから事情を聞き探すと、てつやさんが座ってた椅子の上にスマホが置いてあった。
『スマホあったよー』
と｢スマホあったってよ｣
し｢てつやが今から届けてだってー｣
と｢アイツが取りに来いよ！｣
し｢いやーてつやまた満身総理になっちゃって…｣
と｢ったく、わかったよ｣
ﾋﾟｯ
と｢わりぃA。てつやにスマホ届けてくるわ｣
『うん。気をつけてね』
と｢撮影については後日連絡する｣
そう言っててつやさんのスマホを持って急いで出ていった。
そういえばさっきとしくんは何て言おうとしてたんだろう。
そしてとしくんの好きな人は誰だろう
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作者名：ぺぺぺ | 作成日時：2021年8月18日 22時
