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と「おい!!別れるってどういう事だよ!?」
としくんは当然の通り私の言葉を聞いて驚く。
『ごめん……本当はとしくんの事嫌いになった訳じゃないんだよ』
と「じゃあ何で……ッ」
『としくんの今後の為だよ』
と「今後の為……?」
『としくん人気者だからさ、これからもファンの人達に色々楽しませるのに私なんか居たら邪魔になるよね』
と「邪魔になるわけねぇだろ…」
『邪魔に決まってるよ!!』
どうしよ……としくんのこと想えば想うほど胸が痛くなる……
『だから明日になったら私すぐ帰るね。私のこと好きになってくれてありがとう……』
私は部屋に置いてある、としくんのぬいぐるみを持ち出して……
『これを捨てればもうとしくんに会えなくて済むよね……』
と「……ッ!?馬鹿ッ!!Aやめ……ッ!!」
『としくん……今までありがとう……大好きだよ』
私はギュッとぬいぐるみを抱き、涙を零しながら部屋から出て行った。
『はぁ……はぁ……』
気がつけば私は外に出て人気のないところにいた。
そうだ。早く捨てないと、としくんが追いかけて来るかもしれない。
辺りを歩いているとゴミ袋がたくさん置かれてる廃棄置き場に辿り着いた。ここに置けばとしくんとお別れできるかも……
最後にとしくんとの思い出を思い返す私。
ぬいぐるみのおかげでとしくんに出会えて交際までできて本当夢のような日々だった。でもこれでもう最後……思い残すことない。
『ありがとう……』
私はぬいぐるみにお礼を言ってゴミ袋の上に置こうとすると──
『……あれ?』
一瞬白い光に包まれて何度か瞬きをすると──
「A!!」
『……としくん?ここって私達の部屋?』
何故かさっきまでいた旅館の部屋にいた。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2023年10月23日 1時