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『としくん。お風呂沸いたから入っていいよ』
と「いや。A先に入ってきていいぞ」
『いやいや。としくん疲れてるから先入ってよ』
と「んじゃお言葉に甘えて先入るな」
無事夕食も終わり、としくんはお風呂に入りに行った。
未だに私の家にとしくんが泊まるなんて夢みたいに感じる。
それに、としくんが寝言で言った私への告白がまだ嘘ではないかと頭が過っていく。
『はぁ……』
私はとしくんのぬいぐるみを持ってベッドの隅に座った。
私としくんに好きって言ってもいいのかな?
もし言ったとしてもフラれたら……
頭の中がダメな方向ばかり考えてしまう。
『としくんは私のこと好き?』
私はぬいぐるみに問いかけても勿論返事は返ってこない。
誰かに相談と思っても身近に相談に乗ってくれる人もいない……
『ねぇ…どうすればいいかな?』
と「何がだ?」
『……!?としくん!?は、早かったね』
と「おう。A何か喋ってなかったか?」
『えっ!?いや大丈夫だよ!?わ、私もお風呂入ってくるねッ!!』
私はぬいぐるみをとしくんに預けて颯爽とお風呂場へ向かった。
はぁ……としくんにバレるかと思った。
あんな独り言としくんに聞かれたら大惨事に決まってるよ!
とりあえず今はとしくんのこと忘れてゆっくりお風呂入ろう。
ふぅー……気持ちよかったぁ
パジャマに着替えて肌の手入れ終わったし、あとはドライヤーで髪を乾かして……ってあれ?ドライヤーがない?いつもここに置いてるはずなんだけど……
と「Aー。上がったかー?」
としくんがいる部屋から声が聞こえた。
『うん。上がったよー』
と「こっち来てくれないかー」
何かあったのかなと思い私は濡れた髪のままとしくんがいる部屋に行くと……
と「おかえり。待ってたぞ」
そこにはドライヤーを持ったとしくんの姿があった。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2023年10月23日 1時