Kiss the doll (ページ29)

今日:8 hit、昨日:20 hit、合計:3,614 hit

29 ページ29

.

としくんが寝言で発した私への告白……
これは寝言だと分かっているが真に受けていいのだろうか……
だったら私ととしくんもしかして両想い……!?
としくんと付き合うのも夢じゃない!?

ライブの時勢いに任せてとしくんに好きって言ったけど、また彼に伝えたい──

『としくん……私もとしくんのこと好──』

と「んっ……？あれ？A……？」

『あっ……!?としくん起きちゃった!?』

と「ふぁ〜……めっちゃ寝たなぁ……ん？何で顔赤いんだ？」

『えっ!?あぁ外が寒かったんだよ!!』

と「ふーん…」

まさか顔が赤い私……どうにか誤魔化すことができたけど大丈夫かな？

『としくんお腹空いたでしょ？今作ってくるね！』

と「俺も手伝う」

『だ、大丈夫だよ！すぐにできるから待ってて！』

私はキッチンに移り調理を始めた。
ふぅ……なんとか逃げる事ができたけど、ずっと心臓がバクバクだよ。私が言ったこととしくんに聞かれてないよね……

もう緊張とか不安が頭の中でグルグル回って今にでも倒れそう……

いやいや。今は料理に集中しないと。
としくんに美味しいご飯食べさせてあげないと!!

トントントン……

グツグツ……

ふぅ……なんとかいい感じにできたかなぁ？
あとはサラダを作って──

と「んーいい匂いするなぁ」

『としくん!!』

部屋で待ってたはずのとしくんが、としくんのぬいぐるみを持ちながらキッチンにやって来た。

と「できたのか？」

『うん。あとはサラダ作ったら完成だよ』

と「美味そうな匂い嗅いでたらめっちゃ腹減ってきた。味見してもいいか？」

『え？もう…少しだけだよ？』

私は小皿にシチューを入れてとしくんに渡した。

『熱いから気をつけてね』

と「ありがと。……んッ!!うまっ!!すげぇ美味しいぞ!!」

『ほんと？ありがとう』

と「Aは料理上手いんだな」

『そんな事ないよ』

と「俺だったら毎日こんな美味いご飯作ってくれたらめっちゃ喜ぶな」

『えっ……？』

と「邪魔して悪かったな。何かあったら手伝うな」

としくんは持ってたとしくんのぬいぐるみの手を持って私の頭を撫でて部屋へ戻った。

『……ッ!!』

としくんが頭を撫でてくれた。
とは言ってもぬいぐるみでだけど……

それに私の料理美味しいって言ってくれたし、毎日食べたいって……

もうとしくんの一言一言が胸に突き刺さって倒れそう──!!