Kiss the doll

26 ページ26

.

ライブが終わり数日経った頃。
投稿が無かった東海オンエアに1本の動画が投稿された。


それは“休憩”という名の活動休止の知らせだった。
メンバーが決めたこと……私は今までの疲れを癒してゆっくり休んでほしいという気持ちしかなかった。


それに伴い10周年のイベントも中止。返金という結果になったが、ここで1つ問題が起こった。


予約した飛行機どうしよう……
キャンセルしてもキャンセル料が出るし、ここはどこか1人で観光……？


私はうーんと悩んでいるとLINEの通知が来た。


『……としくん!!』


LINE交換してから初めて来た。そこには“今から会えるか？”との文章。私は“大丈夫だよ”と返信し、ぬいぐるみにキスしてとしくんを迎えた。


と「よっ。動画見たか？」


『うん。東海らしかったよ』


と「そうか？まぁそういう結果になっちまってごめんな」


『ううん。としくんもこの際ゆっくり休んで!!』


と「ありがとな。それより10周年のイベント行く予定だったよな？」


『うん…それで今飛行機の予約どうしようか考えてたところなの』


と「だったらその日岡崎来ないか？」


『えっ!?岡崎!?』


と「Aまだ岡崎に来たことないだろ？この際色々見に来たらどうだ？」


岡崎か……たしかに行くならこのタイミングしかないな。この際行ってみようかな


『岡崎に行ってみようかな…？あ、でもホテル……』


岡崎に行くと決めたがホテルどうしよう。きっとイベント中止の代わりに岡崎に来る人はたくさんいるに違いない。早めにホテル探さないと…と思っていると


と「それには問題ねぇよ」


『え？』


すると、としくんは「じゃーん」と私にチケットを見せてきた。


と「これ覚えてるか？」


『これって……あっ!!慰安旅行の時の!!』


としくんが持ってたのは慰安旅行の動画の時に貰った旅行券だった。


と「これ使って一緒に泊まらねぇか？」


『えっ!?私と!?だめだよ!!こういうのは彼女さんとかと…!!』


と「俺はAとがいい。ダメか？」


『……ッ!!』


こんな事言われたら断れないよ……
それに私とって……またとしくんが好きな気持ちが大きくなる。


『よ、よろしくお願いします……ッ』


と「よっしゃ。んじゃ旅館に頼んどくな」


まさかの流れで決まったとしくんとの岡崎旅行。
もう一生に一度しかない最高なイベントが始まる──!!

27→←25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す