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と「うっま!!このジンギスカンめっちゃ美味い!!」
『うん!!家でもたまに食べるけど、お店で食べると尚美味しい!!』
ライブお疲れ様と称して始まったとしくんとの食事。
私もとしくんもお腹ぺこぺこでひたすら焼いては食べての繰り返し。
と「すみませんー。生追加でお願いしまーす」
『としくーん。そんなに飲んだらマンゲモンになるよー?』
と「そんな簡単にならねぇわ!!お前こそ顔赤いぞ?」
まだお酒1杯しか飲んでない私。
私すぐに酔うタイプだったっけ?
と「ほら水も頼んだから飲んどき」
『あ、ありがとう』
としくんから水が入ったコップを受け取りゆっくり飲む。
と「少し落ち着いたか?」
『うん。大丈夫だよ』
と「なら良かった。少し休んだら帰るか。ホテルまで送る」
『えっ!?いいよ。すぐ近くだし』
と「つってもこの時間でもまだいっぱい人いるし、何起こるか分からねぇからさ……な?」
『……お願いします』
私はとしくんの言葉に甘えてホテルまで送ってもらうことにした。会計を済ませ外に出ると、ライブの熱気やご飯の熱量をかき消すような冷たい風が私の身体を冷やしてくる。
『寒いー!!』
まだ10月だっていうのに冬が訪れるような寒さだ。
私は両手で悴んだ手を摩っていると、としくんが私の左手を握ってくれた。
と「さみぃー!!もう雪でも降るのか?」
としくんは無意識に握ってるのかそのまま私と会話をする。
どうしよ……ずっと握ってて欲しい……
と「──!!おい!!」
『えっ!?なに!?』
と「ホテルこっちの方でいいのか?」
『えっ!?あ、うん。……あ、ここ!』
考え事しながら歩いているといつの間にか私が泊まるホテルに到着した。もうとしくんとお別れかと思っていると、隣にいるとしくんが驚いた表情してた。
と「俺もここに泊まるんだけど」
『えぇ!?』
まさかの同じホテルに泊まる予定の2人。
私達はそのままホテルのエレベーターに乗り部屋へ向かうと……
と「……!!もしかして……!!」
『としくんの部屋ここ!?』
まさかの隣同士だった私達。
これって奇跡だよね!?
と「ほんと運の良い奴だな」
としくんは私の手を離して鍵を取り出す。
と「今日はありがとな。温かくして寝ろよ」
そう言ってとしくんは部屋へ入っていった。
私も部屋に入るもずっと握っててくれた手が温かい……
としくん……
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2023年10月23日 1時