Kiss the doll (ページ22)

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アンコール曲が終わると、としくんは自身が持ってるピックを数枚投げた。ヒラヒラとピックが私の上を通り後方へと飛んで行った。

その後としくんが持ってるタオル……これも私より後方へ飛んで行き、タオルは近くに来た人達で取り合う修羅場に化した。

いいなぁ……私もとしくんから欲しい……と思ったが周りの人達の懸念な勢いを見てつい身を引いてしまう。

あととしくんが持ってるのは今首に巻いてるタオルのみ。

としくんはタオルを手に取り投げるかと思いきや──

『……えっ？』

としくんはステージから降りて私がいる所に来て、私の首にタオルをかけた。

と「ありがとな」

としくんは私に優しい笑みを浮かべた後ステージに戻り、深く一礼をしてステージから去った。

嘘……じゃないよね？
今としくん自ら私にタオルを渡してくれた……？

嘘じゃないよね……本当に嬉しすぎる……!!
もう家宝にしたいよ!!

私は嬉しすぎてぎゅっととしくんから貰ったタオルを握りしめた。

ライブも無事に終わり観客もぞろぞろと会場を後にする。
楽しかったライブもあっという間に終わったが熱気はまだ残ってる。

来てくれて本当に嬉しかった。
今度会える時にお礼言わないとね。

それにしてもお腹すいたなぁ……
ライブで盛り上がりすぎてペコペコ……

少し歩いたら飲食店いっぱいあるから見てこよう〜

そう思いながら進んでいくとすすきのに辿り着いた。
夜の街なだけあって、こんな時間でも人が沢山いる。

しかも週末だから尚更だし店探しも大変だ。
そういえばとしくん、MCの時ジンギスカン食べたいって言ってたなぁ……その話を思い返すと私もジンギスカン食べたくなっちゃった。

とりあえずジンギスカンがあるお店を探して……
あっ!!あったあった。私はジンギスカンがあるお店を見つけ入店した。

「いらっしゃいませ〜何名様ですか？」

『ひと──』

「2人です」

私の背後から聞き覚えのある声。
この声は……と後ろを振り向くとそこには──