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どうして私の部屋の前にとしくんのぬいぐるみが?
応募してた抽選に当たった?それとも誰かからのプレゼント?
にしても手紙や送り主の事すら何も見当たらない。
これはもしかして神様からの贈り物!!
……なーんてね。そんなのある訳ないじゃん。
でもせっかく私の家に来てくれたんだから大事にしないと!!
あれだけ欲しかったものを手放すなんてできない。
にしても可愛いなぁ……またとしくんグッズが増えて嬉しい。
私の部屋には東海オンエアのグッズ……特にとしくんのグッズが尋常ではないくらいの量で埋め尽くされていて、この光景を親や友人に見られたらドン引きされるに間違えない。
時折私ってリアコなのかなぁと思いつつ、私は無心でとしくんのぬいぐるみの頭を撫で、ぎゅっと抱きしめた。
……はっ!!わ、私は普通のファンでありリアコじゃ…!!
私は恥ずかしさのあまりベッドへダイブし、ぬいぐるみを天井の近くに持ち上げた。
私ってとしくんのリアコなのかな?
そりゃスマホの待ち受けもとしくんだし、としくんのかっこいい所も100個程言えるかもしれない。
それ程言えるのなら私ってやっぱり……
私は自分が普通のファンなのかリアコなのかモヤモヤしながら足をばたつかせた。
『……あッ!!』
足をばたつかせた弾みで上に持ち上げてたとしくんのぬいぐるみが落っこちて、私の唇ととしくんのぬいぐるみの口が重なった。
これってとしくんとキスしたってこと!?
いやいやこれはぬいぐるみだし、さっきのは事故!!
うんうん。さっきのは忘れてもう寝よう。
そういえば、さっきの弾みでベッドの下にぬいぐるみが落ちちゃった。
私は落ちたぬいぐるみを拾おうとベッドから起き上がると──
「……は?ここ……どこだ?」
『えっ……?』
聞き慣れた声……
そして毎日画面越しで見ている顔……
「俺たしか部屋で編集してたよな?」
間違えない……
でも何故そこに……
『とし……くん……?』
私の目の前には推しのとしくんの姿があった。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2023年10月23日 1時