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と「ありがと。めっちゃ嬉しい」
としくんが私を抱きしめてる……これは酔ってる勢いでしてるわけじゃないよね?
『と、としくんッ!?』
と「……!?わ、わりぃ!?」
としくんは我に返るとすぐに私から離れた。
どうしてだろ……としくんと会ってから凄い距離が縮まった感じがする。それに動画では見ない表情……私しか見ることができない特別感。
私としくんと会ってから変な感じがする……
と「……どうした?」
『えっ!?何でもないよ!!としくんが喜んでくれて良かったよ』
と「大事に飾るからな」
『うん』
気がつけば日付が変わって記念日も終わってた。
と「もうこんな時間か」
『ごめんね。私が呼んだせいで』
と「いいや。俺もお前に会いたかったからさ」
『えっ……?』
としくんが私に会いたかった……?
じゃああれはわざと私と会うために時間を……?
と「ってそろそろ戻んねぇと皆心配するかもしんねぇから行くわ」
『そ、そうだね』
と「来週のライブ楽しみにしてろよ」
そうだ。来週はとしくんのライブだ。
彼にはまだ最前列で見ることは伝えてないが盛大に楽しむつもりだ。
『うん。としくんも頑張ってね』
私ととしくんはお互いニコッと笑い、ぬいぐるみにキスしてお別れした。
としみつside
岡崎に戻ってきた。
早く戻らねぇと他の奴らに心配されるに違いねぇ。
スタジオに戻ると室内で暴れ回ってるてつやとゆめまる、ソファで項垂れてるりょうの姿があった。
虫「としみつー。どこ行ってたんだよー」
と「わりぃわりぃ。ちょっと散歩してた」
虫「もう…アイツらは暴れてるし、しばゆーも呑みすぎて帰らして大変だったんだよ……ってそれ何?」
と「これ?大事なヤツから10周年のお祝いで貰った」
虫「そうなんだ。大事にしないとね」
Aから貰ったプレゼント。
ライブとかイベントで色々俺に貢いで馬鹿じゃないかと呆れてしまうが、どこか憎めないところがある。
それにアイツが俺を呼んでも嫌な思いが一つもない気がする。逆にもっとアイツの傍にいたい気持ちの方が大きい……
もしかして俺Aのこと──
って、それより今は来週のライブに集中しないとな。アイツにとって初めてのライブだ。精一杯楽しませてもらうぞ!!
そう意気込んでいた俺だが
数日後
大事件が起こるなんて誰しも思わなかった───
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2023年10月23日 1時