18話 過去 ページ19
「うーん、私の観察眼が優れてるからって訳じゃないと思います。私、紫苑の父なので……それで紫苑の癖とか覚えてて貴方との違いがわかるんだと思います。」
「え、お、お父様だったんですか……?」
「?、はい。」
「嘘、初めて知った。」
「すまない。言い忘れてた。」
でもよく見たら紫苑に似ていると言われている私と似ているところが所々あり言われてみれば納得出来る。
(目元とかほぼ私やん……あー、でもよく見ると私より私の父さんに似てるかもな……。)
「あの、そろそろ紫苑さんにご挨拶に行ってもよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ。忍術学園の皆さんいつも来てくださって紫苑も喜んでると思います。」
「……あ、はは。だといいですけど。」
紫苑に会えるのか!土井先生の後をついて行くと庭のような所につくそこには明らかに墓としか思えないものがあった。
「え……。」
すると、土井先生がしゃがんで手を合わせた。
「…………。」
あまり頭の良くない私でもどういうことか理解し土井先生と同じようにしゃがんで手を合わせた。
しばらくすると土井先生は手を下ろし空を見上げ話を始めた。
「紫苑はくのたま唯一の上級生だった。」
「…………。」
「忍者であるお父様に憧れてウチに入ったんだ。
忍者関連ではプライドの高いお父様は生半可な気持ちでそ
の世界に入れたくなかったんだろう。紫苑が忍者になりた
いと言ったら徹底的に一番強い忍者になれるよう入学前か
ら紫苑は既に相当なレベルまで鍛え上げられていた。そん
な彼女はくのたまになっても常に成績トップで飛び級でく
のたまを卒業した。けど、更なる力を得るために忍たま達と同じ授業を受けるようになった。」
「………。」
「紫苑は女1人だったが忍たま達とあっという間に
打ち解けた。そこまでは順風満帆だったんだがな……。あの
女が、前の天女が来てあいつの標的にされてからは変わっ
てしまった。天女は上級生に妖術をかけ下級生やくのたま
を攻撃し始めた。……そして、同年代の異性という妖術の妨
げになる可能性の高い紫苑に対するいじめは特に酷かっ
た。」
「そして、紫苑は最終的に下級生に暴力を振るおうとする上級生を見て我慢出来なくなったのか上級生全員と戦ったんだ。一応勝てはしたが忍術学園から出てすぐ傷が広がってしまってそのまま命を落とした。」
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あい(プロフ) - これ面白いです!! 夢主ちゃん可愛い♡ 続き待ってます (2022年4月12日 8時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴松 | 作成日時:2022年2月14日 0時