15話 許さない ページ16
昨日の出来事について語り終え六年生達が顔を上げると先生方は複雑な表情をしてしばらく口を開く者はいなかった。
先生方は叱るつもりで問いただしたのだろうが叱れない程彼等の気持ちが痛い程分かるから。
「…お前達の気持ちも分からなくもないが……。」
「……兎に角、やってしまったものは仕方ない。謝りに行かんと」
「「…はい。」」
六年生は何一つ抵抗しなかった。これも計画のうちの一つだし悪いことをしたのは事実だったから。
先生達と共に医務室へ移動すると布団に横たわるAがいた。
Aは六年生達が入ってきた事に気づくと驚いたように瞳を見開き急いで起き上がった。
「ぁ……。」
口を少し開けて驚いた顔が5秒ほど続いたがすぐに口を閉じ眉を寄せ明らかに怒った顔になり
そして、その5秒の間に六年生達はAが寝ている布団の横に正座で並んだ。
はっきり言って空気は最悪だ。
「この度は申し訳こざいませんでした。」
そう言って6年生全員深く頭を下げる。
しばらくの沈黙が続き表情が少し緩んだ
「……どうしてこんなことしたんですか?私はあなた達とは今日が初対面だと思うんですけど。」
「それは……っ。」
「それは!」
仙蔵が躊躇う様子を見せると土井先生が慌てた様子で仙蔵の言葉を遮った。
「私から後日話させてくれ。」
「どうしてですか?今じゃダメなんですか?」
「それは…こんなとこでするような話じゃないからな。」
「…………。」
布団をキュッと強く握る
「ハァ………。」
ほぼ無意識の状態でAがため息をこぼす。
ぶちギレているのが見えみえだが堪えたのかAは落ち着いた様子で
「分かりました。では、後日。」
「すまない。」
6年生達と山田先生、土井先生、学園長は各自戻りその日はそのまま何事もなく終わった。
(やばい、怖くて寝れない……。)
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あい(プロフ) - これ面白いです!! 夢主ちゃん可愛い♡ 続き待ってます (2022年4月12日 8時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴松 | 作成日時:2022年2月14日 0時