1話 前世と紫苑 前編 ページ2
紫苑side
「本日の授業はここまで」
「「ありがとうございました。」」
「あ〜、キッツ。マジ疲れた。」
「木下先生体力あり過ぎ……。」
「今日のは流石にキツかったな……。」
「ほんと無理〜。しかも一週間後今日の授業で習ったやつのテストでしょ?無理だって」
「でも頑張って練習するしか無いな。」
「だな。」
「ねぇねぇじゃあさこの三人の中でテストで最下位だった人がテストの後うどん屋で全員分の昼ごはんを奢るのはどう?」
「いいな!それ!でも、豆腐がいい。」
「えー、昨日も食べたじゃん」
ハハハハハッ
何気ない日々。当たり前で当たり障りの無い。でも、それが私の幸せ。ただ平和でみんなと笑って過ごせる。ほんと、ただそれだけ。多くを望んだことなんて無かった。
それなのに、なんであんなことになったんだろう。
「………?なんか中庭騒がしくない?」
「なにかあったのか?」
「行ってみよう」
中庭へ行くと……
「ねぇ、何があったの?」
「あっ、先輩。それが、空から女の人が降ってきたみたいで……。」
「……??ますます分からん。どういう状況?」
「私もさっき来たばかりで……人が多過ぎてよく見えないんですけど」
「私ちょっと前の方いってくる」
「あっ、先輩……。」
そう少々の人混みの中へ入りしばらくしてやっとの思いで抜け出した
「………っは……。」
人混みの中から出た瞬間よろけた私とその少女の目があった。
すると、その瞳に何も映さない冷徹な目をした彼女がクスッと笑いその場にいた先生方に顔を向ける。
「西園寺姫花でぇ〜す!よろしくお願いしまぁす。」
ペロッと少し舌を出して可愛らしく挨拶をする彼女に謎の嫌悪感を覚えながら先程からする胸騒ぎに気づかないフリをしてその場を離れた。
その日から私の”幸せ”は一瞬にして壊れた。
「姫花ぁ、疲れたぁ。お水飲みたぁい」
「お水持ってきました。」
「何かして欲しいことがあったらなんなりと申し付けください。」
「天女様、今度オレと新しく出来た茶屋に行きませんか?」
「いいえ、オレと。」
「ええ〜、どうしよっかなぁ。じゃあ、今度三人でぇ…キャッ!痛ぁい」
「えっ、あ、すみません。」
ほぼ同時に上級生が私を恐ろしい程冷たい目で睨んできた
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あい(プロフ) - これ面白いです!! 夢主ちゃん可愛い♡ 続き待ってます (2022年4月12日 8時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴松 | 作成日時:2022年2月14日 0時