4(宮田くん) ページ4
「・・・・眠」
全っ然、眠れなかった。
紺野さんを連れ帰ってしまったことへの軽い後悔と、再会したことへの衝撃で、頭は全然休まらなかった。
アラームが鳴って、渋々起き上がる。
紺野さんは、きっと平気だったに違いない。
あの人は昔からそうだ。
俺に対して、少しも緊張したりしないんだ。
「やっぱり」
ソファには、気持ちよさそうに眠る紺野さんがいて、その姿は”ぐっすり”以外のなにものでもなかった。
「人の気持ちも知らないで」
高校生の頃から10年以上経っているのに、紺野さんは紺野さんだった。
少しも変わらない。
まるで、10年前からタイムスリップしてきたみたいに。
図々しくて、ワガママで、それからとても素直。
「おはよ。みあた」
いつの間にか目を覚ました紺野さんが、俺を見つけて嬉しそうに笑う。
「・・・・おはよ」
君はズルいね。
目が覚めて、俺が目の前にいたことが嬉しかったの?
・・まるで、そんなふうに錯覚させるように笑うんだ。
「朝ごはん、食べる?」
「食べる!」
君と一緒に迎える初めての朝。
清く、爽やかな交際にとどまった18歳の俺たちは、朝を二人で迎えるなんて、永遠みたいに遠いことなんだと思ってた。
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