3(宮田くん) ページ3
「結構キレイにしてるんだね」
紺野さんは部屋の中を見渡して、感心したようにそう言った。
「褒めたって居ていい期間は延びないよ」
「・・・・みあた冷たい」
「どこが?突然の居候を受け入れたのに?自分の優しさに震えるよ!」
「昔はもっともっと優しかった」
「・・・それは・・・」
「それは?」
それは、紺野さんが俺の彼女だったから。
「何でもない。俺も大人になったってことでしょ」
「ふ〜ん」
すごく、不思議だ。
どうして紺野さんが、俺の部屋にいるんだろう。
「寝室、紺野さんが使って?俺がソファで寝るから」
「・・・・やっぱさっきの取り消す」
「え?」
「みあたは優しい」
「・・・そんなことないよ」
「でも、大丈夫。みあたはベッドで寝て?ソファ、お借りします」
殊勝に頭を下げる紺野さん。
さっきの勢いはどこに行ってしまったのか、急にしおらしくなった彼女に戸惑う。
「・・・・みあたがいなかったらどうなってたんだろう」
「え?ちょっと・・・泣いてるの?」
「だって・・・殴ろうとしてくるんだもん」
「まさかさっきのこと怖かったの?」
「・・・・怖かった」
もう、本当に、この人は・・・・。
高校生の頃も、ずいぶん彼女に振り回されていた。
そして、呆れ過ぎると、しょうがないなぁって気持ちにさせられてしまうんだ。
「紺野さん」
「・・・・何?」
「約束してくれる?もう、あんなふうに危ないことはしないって。紺野さんがどんなに気が強くても、力で勝つことはできないよ」
「・・・・はい」
感情が赴くままの彼女は、高校生の頃と全然変わらない。
俺はどうなんだろう。
大人になった俺は、紺野さんの目に、どんなふうに映ったんだろう。
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