1(宮田くん) ページ1
会社帰りに同僚と飲んで、良い気分で大通りを歩いていた金曜日の深夜、俺は思いがけない出来事に遭遇した。
街はまだ賑やかで、そこかしこで騒ぎ声が聞こえる。
「お前がぶつかってきたんだろ!」
「私じゃない!あんたがぶつかってきたの!」
酔っ払い同士の喧嘩を横目で見つつ、そこを通り過ぎようとした時、男性の方が、女性に向かって拳を振り上げた。
「ダメ!!」
思わず掴んだ拳。
男性は突然現れた謎の通行人に、大きく目を見開いた。
「何だお前」
「・・僕は・・その、ただの通行人なんですが・・」
「ただの通行人が何してんだよ!」
「・・女性に暴力は・・ちょっと。力の差があるわけですし、まずいかなって」
「あ?」
「それに!お巡りさんが巡回中なんですよ!お兄さんが捕まるのを防ぐ意味もあるんです!あ、ほら、あそこにもお巡りさんが・・・
しどろもどろに作り話をする俺を信じたのかどうかわからないけれど、男性は舌打ちをして去って行った。
「・・・よかったぁ」
ホッと胸を撫で下ろす俺の顔を、喧嘩をしていた女性が覗き込む。
「みあた?」
「・・・え?」
”宮田”という俺の名前をその人が発音する時、それはいつだって”みあた”に聞こえた。
「みあたでしょ?みあただよね?!」
「紺野さん?」
何ということでしょう。
酔っ払いと喧嘩をしていた酔っ払いの女性は、俺が高校生の頃付き合っていた、紺野Aだった。
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