第三幕 10歳、将軍になる ページ4
さてさて、それから幾年かの月日が経ち、私は将軍に任命された。
数々の功績のおかげで、自国においては年齢でナメられることもなくなり嬉しい限りだ。
正直、地位を持つのは言葉遣いだったりで面倒なので嫌だったのですが、私個人のみで20個旅団程度を屠ってしまったのと。
ジンの金属器を手に入れたことに所以しているのである。
開発資材の豊富な孤島での研究終了後、帰還する際に不思議な大きな建物に立ち寄った際に入手したのだが、数多の人々が死にたえたという迷宮が、アレだとは思わなかったのだ。
孤島で開発した九八式の試運転に活用させていただいた。が、青い巨人のようなものに遠距離狙撃用術式をぶっ放そうとしたときに止められたのは今でもイライラするものである。
金属器は有用ですので使用してはいるが。
さて、私は現在紅炎兄様の眼前にいるわけだが……
「正直、私は紅炎殿が自分の兄であることを忘れていました」
めっちゃ失礼な言葉を浴びせたのに、兄だと敬称の指摘をされるだけで「で?」と、言う。だからどうしたという気持ちがありありでてますよー、兄様。
「いやですねえ、察してくださいよ。どうせ互いが居るらしいよね程度の認識なのにわざわざ呼び出すとはさぞ重要な話があるのでしょうな、と」
私がそう投げやりに云い捨てると、笑わないと噂の兄様が笑った。
「妹と話そうと思うのに理由が必要か?」
「いや、我々は皇族です。家族間で親しい皇族が何処に居ると言うのですか」
「此処に」
この人は本当に笑わないと噂の兄様なのだろうか、ひょっとして影武者では? と感じるも、此方から話題をふっかけた。
「そういえば、紅炎兄様はわずか11歳の頃に戦場へ赴いたとか」
「7歳で実戦に参加し、10歳で将軍に任命されたお前ほどではない」
皮肉にあっさり返してくるあたり、優れた人なのだなとはおもうが。
「実戦参加への教示でも受けに読んだのですか?」
「兄相手に大層な口ぶりだ」
これでも軍人ですからという言葉を飲み込んで返答した。
「それとも座学でも教えてくださるとか? あいにく学問は概ね嗜んでおりますので」
面倒な皮肉の応酬に終わりをつげ、さっさと新しい部下のもとへ行こうと思ったのだが、扉の外側から声が掛かった。
「兄王様、お待たせしました」
声と共に私位の年頃であるだろうに、妙に大人びた少年が入室した。
「ご来客のようですのでわたしは退散しますね」
「お前への来客だ」
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かしわてぃ。(プロフ) - あっそうですか。では読みませんしお気に入り登録もしません。あと、このコメントには返事は結構です。 (2017年4月9日 22時) (レス) id: e8a76eb73d (このIDを非表示/違反報告)
諏訪(プロフ) - かしわてぃ。さん» アドバイスなら申し訳ありませんが今回は見送らせて下さい。変な所で切るのは私が気にくわないので。読みにくいなら読まなくて結構ですから、それは譲れません。 (2017年4月9日 22時) (レス) id: 212d41517c (このIDを非表示/違反報告)
かしわてぃ。(プロフ) - 次のページに書けばいいと思います。その時に文字数の関係上変な所で切って申し訳ありませんと書いたらどうでしょうか?悪魔でもこれはアドバイスです。 (2017年4月9日 15時) (レス) id: e8a76eb73d (このIDを非表示/違反報告)
諏訪(プロフ) - かしわてぃ。さん» 文字数の関係上難しいです。 (2017年4月9日 11時) (レス) id: 212d41517c (このIDを非表示/違反報告)
かしわてぃ。(プロフ) - もうちょっと隙間開けて打ち込んでください。何か見づらいので…終わった後にすいません。 (2017年4月9日 9時) (レス) id: e8a76eb73d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽白 | 作成日時:2016年12月27日 22時