眼鏡のせい。 ページ21
sgi｢あれ、A今日は眼鏡じゃん｣
『今朝コンタクトが入らなくて』
sgi｢雰囲気変わるなー似合ってんね｣
『ありがとうございます(笑)』
その日は色んな人から度々眼鏡のことを声かけられた。
『皆、モテるでしょ』
ymmt｢どうしたんですか？急に｣
『だって眼鏡かけただけでこんな感じだからね、よく周りを見てるなと思って』
ymmt｢それは気づくでしょ｣
『でも、気付いても声に出せるのはまた別でしょ？女の子は嬉しいよそういうの』
-----
side ymmt.
ソファに座り、デスクで仕事をするAさんを眺める。時々、眼鏡を指で上げてる仕草は今日しか見られないかな、と貴重な気がしてじっと見ていると目が合った。
『ん？何かあった？』
ymmt｢何も〜忙しそうですね｣
『山本くんたちに比べたらそんなことないよー』
そう言って椅子から立ち上がり、棚を漁ったりホワイトボードに貼った書類をめくったりしている。
ymmt｢何か捜し物ですか？｣
『そう、さっきまであったんだけど…』
ymmt｢もしかしてこれ？｣
自分の座る目の前にずっと置かれていた書類をAさんに持って見せると、ソファの肘掛けに手をつき、僕が持つ書類を横から覗き込む。すぐ真横にAさんの顔がきて、ふわりと鼻をくすぐるのは彼女の甘い匂い。
ymmt｢っ、｣
『どれー？…あ、これ！』
どうやらお目当てのものだったらしく、僕の手元から書類が離れる。
『ありがとう！もう年だねーすぐ忘れちゃう(笑)』
ymmt｢ですねー｣
『えっ、そこは否定してよ！』
ymmt｢だってもうアラサーでしょ？｣
『う、事実だけど、、』
しょぼんとした顔に少し罪悪感が生まれたけど、毎回ああいうことをするAさんが悪い。
それから、部屋に来たふくらさんとAさんが一緒に書類を見て話しているのを聞いて、さっきの距離感の原因を理解する。
fkr｢Aそれ、度合ってる？｣
『合ってない』
fkr｢だよね、すごい近いもん、笑｣
『わーごめんなさい、』
fkr｢俺はいいけど気にする人もいるだろうからねえ｣
『そうですよね…あ、だからか！』
fkr｢なにが？｣
『山本くんごめんね、近過ぎたよね、』
ymmt｢僕も気にしないから大丈夫ですよ｣
『でもいつもと違かったから』
ymmt｢気のせいじゃないですか？｣
『ならいいけど、』
その原因を知っているようにふくらさんは僕を見てにやにやしている。
これだからうちの秘書はタチが悪い。今日は無意識なのだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1345人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kono - 小ネタ超好きです！ (2023年1月7日 11時) (
レス) @page31 id: f637924c1f (このIDを非表示/違反報告)
ran(プロフ) - むめーです。さん» コメントありがとうございます！読んで頂けて嬉しいです！亀更新ですが、ぜひまた覗きに来てくださいね！ (2022年12月11日 22時) (レス) id: 833dd47682 (このIDを非表示/違反報告)
むめーです。 - 初コメ失礼します!ほのぼのしてて癒やしだぁ…ってなりました!ありがとうございますm(_ _)m (2022年12月11日 12時) (レス) @page30 id: b77e78df3f (このIDを非表示/違反報告)
ran(プロフ) - ぽんこつはるさん» コメントありがとうございます！かなり久々の更新となりすみません…！喜んで頂けて嬉しいです(^^) (2022年7月7日 20時) (レス) id: 833dd47682 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつはる(プロフ) - 更新嬉しいです…！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page30 id: d924facb37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ran | 作成日時：2020年7月3日 12時
