君についての作文/uszw ページ8
目の前にあるのは作文用紙。
ちなみに十枚もある。
そもそも私は作文というものが大っ嫌いだ。
そんな私がなぜ今作文用紙を目の前にしているのかというと、私が今から書くのは”反省文”だ。
私の学校は遅刻を一回でもすると反省文を書かされる。
本来なら反省文は最高でも五枚。五枚でも十分多いのになぜか私の前にはやはり何度数えても十枚ある。
それもこれもあの先生のせいである。
一人ぶつぶつ嘆いていると教室のドアが開いたので、誰かが忘れ物かな？と思ったが違った。
「おー、ちゃんと書いてんのな」
この黒縁眼鏡をかけた男が私が今こうなっている原因である。
牛沢先生だ。
「先生のことを睨むんじゃない……ってお前全然作文進んでないじゃん！ペン持って下向いてるから書いてるかと思ったわ」
まだ手をつけていない作文用紙を先生はピラピラさせた。
「先生が十枚も出すからやる気が起きませーん……」
「書き終わるまで見ててやるから早く終わらせろよ」
そう言って作文用紙で頭を叩かれた。
先生は私の前に座ってじっとこちらを見だした。
「見られてると書けないんですけど」
「いや書けるでしょ」
「私は書けません！先生基準でなんでも決めつけないでください」
「あーもうわかったわかった、じゃあもう見ないから早く手動かして」
そういうと先生はスマホを触りだした。
「いい大人が学校でゲームって……」
「先生だからいいんですー」
あんまり理由になっていない気もしたがもう触れないことにした。
さっきからこの先生に対して可愛くない態度をとってばかりいる私だが、実はこの先生が好きだったりする。
さらに言うと初恋……だったりもする。
初恋が学校の先生なんて人なんか滅多にいないんだろうな、なんて呑気に考えながら気づけば視線は先生の方を向いていた。
全く染められておらず傷みを知らない黒髪、いつもかけている黒縁の眼鏡、血管の浮き出た手、意外と長い睫毛。
眺めていると我ながら馬鹿らしいアイデアが浮かんだ。
先生にまた怒られるかもしれないが、私はそれを実行した。
｢反省文、書けましたよ｣
｢ちゃんとやれば早く終わるじゃん…じゃあこれは先生が回収す｢待ってください｣
回収しようとした先生の手を私は阻んだ。
｢先生座ってください｣
｢は……｣
｢いいから！！｣
強引に先生を私は座らせた。
｢私の反省文ちゃんと聞いててくださいよ｣
｢おいちょっと待て、意味がわからな……｣
君についての作文/uszw→←嘘の魔法にかかったフリをして/rt
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蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
