3分間で世界は変わる/uszw ページ24
恋と気づいた3分後に失恋する人がこの世にいるだろうか。
私には気になっている人がいた。かっこよくて背が高くて優しくて……薄っぺらい言葉しか出てこないけど眺めてるだけで幸せだった。
ある日友達に「それってほんとにその人のこと好きなの？」と聞かれて私は確かに、と納得してしまった。もしかしたら私の好きは恋愛的なものじゃなくて芸能人やアイドルに対しての好きと同じものなのかもしれない、と思い始めた。それからは彼…キヨくんのことは芸能人を見る感覚で眺めることにした。
ここから今日の話になる。私は教室で1人放課後に日誌を書いていたのだが、ドアを開ける音が聞こえて振り向くとキヨくんがいた。
「あ、A」
名前知ってくれてるんだな…って同じクラスだからさすがに覚えて貰えないと悲しい。だが名前を呼ばれたことにドキッとした。
「キヨくん……どうしたの？」
「いや、忘れ物して」
部活で使うものでも忘れたのかな？と考えているとキヨくんがこっちに向かってきた。
「それ日誌？」
「うん」
「真面目だねA。日誌なんてみんな適当なのに。でもそういうのえらいと思う……ってごめん。何様だよって感じだよな」
キヨくんはそう言うと私が返事をする間もなく「じゃあな」と言って教室を出た。おかしいな、顔が熱い気がする。あれ…キヨくんのこと、恋愛感情はないと思ってた、のに。軽い女と思われるかもしれないが、やっぱり私、キヨくんのこと好きなんだなあ…と自覚した。誰かに言いたくなってレトさんに電話をかけた。
「なに？」
「レトさんどうしよう、私やっぱりキヨくんのこと好き」
そう言うとレトさんは「おー……」と生返事をした。
「でも卒業したら会えないしキヨくんのことだから彼女いるかもしれない」
「……まあ卒業すると離れるね。彼女、は分かんないね」
私はそこまで鈍感じゃない。レトさんの言い方で察した。あ、キヨくん彼女いる気がする、って。
「レトさん、キヨくん彼女いるの？」
「正確にはわかんない。でも、出来たかもしれない」
「出来た？」
「いや、キヨくん後輩の子にこの前イルミ誘われたらしくて。多分その時に絶対告白されたと思う。結果は相手のこと考えて絶対言ってくれないけど。その後輩ちゃんがまた可愛いって噂だよ」
そんなの絶対彼女が出来たに決まっている。これって失恋だ。そう思うと少し涙が出た。可愛くない私じゃ勝ち目がない。
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蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
