ショートケーキの口直し/rt ページ2
｢まずい。とんでもなくまずい……｣
目の前にあるのはショートケーキだ。
しかし見た目とは裏腹にとんでもなく不味い。
砂糖と塩を入れ間違えるという漫画みたいなミスでしょっぱくなっている。
想像していた甘いショートケーキではなかった。
そもそも私がショートケーキを作ったのは理由がある。
今日は彼氏のレトさんの誕生日。
彼氏の誕生日くらいサプライズでお祝いしたい、ケーキとかでおもてなししたいと思うのは乙女心なんだろうか。
しかし時計を見れば19時過ぎ。
そろそろレトさんが帰ってくる頃だ。
さすがにこんなケーキを食べさせるわけには行かないので捨てるしか…と思った瞬間｢ガチャリ｣という音がしてレトさんが帰ってきた。
｢お、おかえりなさい……｣
｢ただいま……ってめちゃめちゃ料理並んでる！もしかして、誕生日だから？｣
目の前で目をキラキラ輝かせてるレトさんに子供みたいで可愛い、などと考えてる場合ではなく！
このケーキをどうするかで頭はいっぱいいっぱいだった。
｢ん？ケーキまで作ったの？食べていい？｣
質問をしたのに聞く耳も持たず、私が許可をする前にレトさんはショートケーキを……食べた。
｢んん！？しょっぱ！｣
｢ごめんね。それ失敗しちゃったやつで…砂糖と塩入れ間違えちゃって……｣
｢そんな漫画みたいなミスする人ほんとにおるんや…｣
さっき自分でも思ったことを言われて何も言い返せない。
レトさんは少し呆れていた。
せっかくの誕生日なのに台無しにしてしまった。
｢わ、私コンビニでケーキ買ってくる！｣
レトさんに呆れられたのも恥ずかしくなり、1人になりたくて外に出ようとしたが後ろに引き寄せられた。
レトさんの匂いに包まれる。
｢レ、レトさん？｣
｢口直し｣
｢え？｣
｢ショートケーキの口直し、させて｣
言葉を返す暇もなく私の口はレトさんに塞がれた。
急なキスで目を閉じることも出来ずにいたが、しばらくすると唇は離れた。
｢ショートケーキ、さすがにしょっぱすぎるから……口直し！｣
キスしてきた本人も照れているのか、そっぽを向いているが耳まで赤くなっているのがわかる。
｢レトさん……｣
｢なんや……｣
｢らしくないことしたって、思ってる？｣
｢悪い……ですか｣
動揺して敬語になってるレトさんが私はなんだかおかしくなって笑っていると、怒ったレトさんにこの後また何回か口直しをされたのはここだけの話。
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蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
