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3日目 ページ3

次の日の朝。



『私彼氏出来た』

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」



友人に肩を掴まれて前後に激しく揺さぶられる。



『出る、出る…朝ごはん…出る…』

「あ、ごめん。

んで、相手は誰なの!?」



パッと肩から手を離され捲し立てられる。



『えへへ、あのね…灰谷先輩…』

「え、なんで!?」

『昨日居残りしてたらお話出来て…そのまま』

「初めての彼氏が灰谷蘭だなんて…

私はAが傷つくのは嫌なんだよ…」

『もちろん、先輩が最初から私のことを好きなわけじゃないけど…

付き合ってから好きになるかもって言ってくれたよ。

なにもしないで終わるより、少しでも思い出作れたらそれでいいの』

「A…

分かった、Aがそう言うならもう何も言わない。

でも何かされたらすぐ言うんだよ!?」

『わかった、ありがとう!』



少し納得のいかなそうな友人の顔よりも今は先輩の事で頭がいっぱいだった。









放課後、一通のメールが入った。
送り主は先輩からで。

"今日どっか行かね?"

先輩から誘われるとは思ってもなくてすぐ様行きますと連絡した。

"連絡はぇーな笑
教室行くから待ってて"

この会話はカップルそのもので、初めてのメールが嬉しくて消えないように保存した。



「Aちゃん」

『灰谷先輩…!』



ドアから顔を覗かせてヒラヒラと手を振る先輩はやっぱりかっこよくて。



『好きぃ〜〜〜〜〜』


顔を覆って先輩の姿に悶えた。



「Aちゃんは俺の顔が本当に好きなんだなぁ〜♡」

『え、顔だけじゃないですよ?』



私が否定したその言葉に先輩は少し目を見開いた。



『顔はもちろん好きですけど…

その綺麗な髪も、たくさん笑うその顔も、時々どこか遠くを見てるその瞳も、全部好きなんです。

ただ、私は先輩について何にも知らないから色んな事をもっと知りたいです!』



私が思っていたことをそのまま言うと先輩は笑った。



「お前みたいなやつ、初めて」



行くぞと呟いて私の手をさりげなく握った。
初めてする恋人繋ぎは心臓がドキドキしてうるさかった。

それから、六本木を回った。
クレープを食べて、服を見て、ペットショップを覗いて犬派か猫派か口論した。

噂の通り先輩は六本木を仕切っているようで歩く度に周りから人が離れていった。
その光景にキョロキョロと周りを見渡していれば、また先輩は笑って楽しそうにしていた。

デートがこんなに楽しいって事を知った17歳の年。

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7℃(プロフ) - ありやけさんさん» え、本当ですか…では頑張って更新します、、 (2021年11月12日 20時) (レス) id: a3f6717434 (このIDを非表示/違反報告)
ありやけさん(プロフ) - すきすぎる… (2021年11月6日 21時) (レス) @page15 id: 5965475948 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:7℃ | 作成日時:2021年10月14日 8時

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