終わりまでのカウントダウン【灰谷蘭】 (ページ15)

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15日目ページ15

あれからどうやって家に帰ったのかなんて記憶にない。
いつの間にかお風呂に入ってて髪も乾かしてベッドに横になってた。

先輩から1件のメールが入る。
別れ話かななんて思いながらメールを開いた。

"ちゃんと帰れたか？

色々助かった、ありがとな"

そのメールが別れ話じゃなかった事に安堵した。
全てを知ってしまったのに、私は先輩を嫌いになれないなんて…バカみたい。

なんのことに対しての感謝の言葉なのか分からないし考えたくもないけれど…
私はこの日初めて先輩にメールの返信をしなかった。

次の日登校中、珍しく校門に立つ先輩を見つける。
なんとなく私を待ってることだけは分かった。

『せーんぱい！』

いつも通り先輩に話しかける。
いつもと変わらない私の様子に先輩は少し目を開いた。

『おはようございます、今日は早いですね？』

「あ、うん。

A待ってた」

『…何かありました？』

「昨日の…デートの埋め合わせ、しねぇ？」

まさかそんなこと言われると思ってなくて内心嬉しかった。
だけど、昨日の事を整理出来てない私にはもう少し時間が欲しくて…

『めちゃくちゃ行きたいです！』

「…！

じゃあ…」

『でも…ごめんなさい。

今日どうしても出なきゃ行けない授業があって、それ出ないと私進級できないんです〜…

また、今度でもいいですか…？』

初めて先輩の誘いを断った。
昨日みたいなことがあるのが怖いくせに先輩と別れたくなくて"また今度"なんて保険をかけるずるい女の私を先輩は許してくれますか？

「ん、そっか。

じゃあ蘭ちゃん今日は帰るな〜」

私の"また今度"には何も返さずに先輩は手をヒラヒラと振ってお家へと帰って行った。

先輩に私はなにもかける言葉が無かった。

あの日から先輩と少し距離が開いた気がする。
やっぱりデートに行くべきだったかななんて思って後悔もしたけどやっぱり自分からメールする気は起きなくて…

気づいたらあの日見たあの人に似せたメイクをしていた。

このまま落ち込んでるだけじゃダメだと思い、先輩が可愛いと言ってくれた服を着て六本木へと出かけた。

そこで見た久しぶりの先輩の姿。
その隣にいるのはあの人だった。