終わりまでのカウントダウン【灰谷蘭】 (ページ13)

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13日目ページ13

「はぁ！？」

案の定キレる先輩達。

『付き合うはずだったから何？

先に行動したのは私。

付き合ってるのも私。

それ以上でも以下でも無いから。

残念でしたね〜』

ニヤッと笑って挑発すれば顔を真っ赤にして手を振り上げる目の前の女。

「んのっクソアマっ…！」

「はいはい、そこまで〜」

殴られてもどーでもいい。
そう思って居ても衝撃は来ず、代わりに聞こえたのは大好きな人の声。

『蘭先輩…』

「俺の彼女になにしてんの？」

「蘭くんっ…！」

先輩の口から初めて聞いた彼女という言葉。
私が殴られそうになったことに対して怒っている表情。

私の事を考えてくれていることに涙が溢れた。

「あーあ、泣いちゃってんじゃん。

これからデートなのにど〜してくれんの？」

「さっきまで怖がってなかったし…！

そいつ猫かぶってんだよ、蘭くんっ」

「俺の名前気安く呼んでんじゃねーよ

…早く失せろ」

先輩の凄みに怯んだのか女の子達は走って教室を出ていった。

「あーあ、泣いちゃって…怖かったのかぁ？」

私の涙を親指で拭ってくれる蘭先輩。

『違うよ…

あんなん怖くないもん』

「ははっ、いい度胸してんなー？

今までもあったの？あーいうこと」

『んーん、今まで無視してたから今回が初めてです』

「無視とか…笑

さすが蘭ちゃんの彼女」

私のこと彼女と思ってくれてたんだね。

『先輩…大好き』

「ありがとなぁ」

今はその返しでいい。
私を彼女と言ってくれるだけでもう十分だから。

「んじゃデートしよ♡」

『はいっ！』

手を握って歩き出してく先輩の手を強く握り返した。

どうかこのまま幸せが続きますように。

その願いはもう少しで終わることを私は知らなかった。

先輩とデート中。

今日も今日とて食べ歩き。

片手はソフトクリームを持って、もう片方は先輩と手を繋いでる。

私は鼻歌まで歌ってソフトクリームを食べてた。

「っぁ…」

どれだけご機嫌で鼻歌を歌ってようが、先輩から漏れた小さな声を私が聞き逃す訳もなく…
足が止まった先輩と一緒に止まって先輩を見上げる。

『…先輩？』

私の声は先輩には届かない。
先輩はただ一点を見つめている。
私と繋いでる手に力を込めていて少し痛い。

『痛いよ、先輩…

どうしたの？』

クイクイっと引っ張ったって動いてくれない先輩の視線の先にあるものを辿っていった。