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12日目 ページ12

『先輩、今日はありがとうございました!』

「ん、またな〜」



玄関で先輩に手を振る。
あの後したゲームは惨敗で悔しかった。
拗ねた私に笑ってキスをした先輩はかっこよくて、先輩に対して嫌な思いがあったのに一瞬で吹っ飛んだ。

先輩は麻薬みたいだ。
辞めたいのに辞められない。
ずるいなぁ…

"バイバイ"じゃなくて"またね"なのは期待してもいいんですか?



『…はい、また』



控えめに手を振った。
最近は夜も明るいから1人で歩いても怖くない。
夏だということを感じた。
もし先輩が卒業したら…私は捨てられるんだろうか。
いや…捨てるなんておこがましいよね。
この曖昧な関係をなんて呼べばいいんだろう。
ポロリと雫が落ちた。









今日は学校で先輩に会えなくて。
友人は部活の集まりで今日はお昼はぼっち飯。
なんだか1人で教室にいる気にもなれず屋上でアイスを食べてた。



「なぁに一人でいんの?」

『蘭先輩…!』



後ろから急に現れた先輩にびっくりして咥えていたアイスを落としかける。



「うげ…アイス食べてんの?」

『アイスは正義ですよ?』

「Aには俺がいるだろぉ?」

『えへへ、ずるいなぁ…』



本当にずるい。


先輩は隣に腰を下ろしてケータイをいじり出す。
その姿すら絵になって、私は盗み見ながらアイスを齧った。



『あ…見て!!!先輩、当たった!!!』

「ん?おーすげぇ。

それって交換出来んの?」

『そうです!

今日はなんかいいこと無かったけど、先輩に会えたしアイスは当たるし嬉しいなぁ』

「じゃあもっと嬉しいこと言ってやろうか?」



先輩のその言葉に首を傾げる。



「放課後デートしよ♡」

『…するっ!』



先輩からのお誘い。
なんだかんだいつも一緒に居てくれる。
もうそれだけでいいやって思った。









なのに放課後先輩を待ってる間ケータイをいじって教室に1人残って居ればいつの間にか周りを女の子達に囲まれていた。



「ちょっと、あんたでしょ?

Aとかって言うやつ」



無視を決めていればケータイを触る手を掴まれる。
チラリと靴を見れば1つ上の学年の指定色。
今まで呼び出しに逃げてきたけど今日はもう逃げられなかった。



『だから…なんですか』

「あんた目障りなのよね?

私が蘭くんと付き合うはずだったのに…別れてくんない?」

「そーそー、釣り合ってないし身の程わきまえな?」

『…うっざ』



私はため息をついて小さく吐き捨てた。

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7℃(プロフ) - ありやけさんさん» え、本当ですか…では頑張って更新します、、 (2021年11月12日 20時) (レス) id: a3f6717434 (このIDを非表示/違反報告)
ありやけさん(プロフ) - すきすぎる… (2021年11月6日 21時) (レス) @page15 id: 5965475948 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:7℃ | 作成日時:2021年10月14日 8時

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