紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

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、



「それって間に合わないものなの？」


「えー、間に合ったら結末変わるよ？
ハルマとくっついてほしいんだよね？」


「…タクミにもチャンスがないのかなって」


もう一度、
タクミにチャンスはないのだろうか

告白に答えずに後悔して
ヒロインを送り出すだけの恋じゃなくて


タクミにも、



「実はね、タクミさん大チャンスがあるの！」

Aはワクワクした顔で雑誌を取り出した。


「シーズン２が決まったんだよ！
タクミさんが１話から本気なんだって！」


「・・・・」


「もう今からすっごく楽しみ！」



シーズン２……。


「はははははは！」

「えっ！？樹くん急になに！？」


珍しく大きな声で笑う俺に驚くA

そりゃあそうだと思う。
自分でも驚く。


だってタクミにじゃなくて

俺にチャンスがほしいだけなんだから。



それに気がつくと、
ドラマのキャラに必死になる自分が
可笑しくて笑えてくる。



「あー、シーズン２ね。楽しみ楽しみ」

「でしょ？タクミさん大逆襲だって！」


嬉しそうに話すAの髪を指ですくう。


「どうかした？」

「いや、可愛いなーと思って」



タクミの大逆襲なんて最早どうでもいい。

くっつくのがハルマならハルマになるし

シーズン１でくっついても
シーズン２では別れるかもしれない

それならタクミにだってなる



結局、俺はこのバカの特別になるために

誰がどうとか駆け引きがどうだより
全力で当て馬役を回避するしかない



「い、樹くん？」

「俺にも大逆襲のチャンスある？
どこまでも支えるけど？」




いつだって物語の始まりに出てくるけど

俺はきっと当て馬役なんかじゃない。



きっと結末はいつだって変えられる。




だって、君のその真っ赤な顔が答えでしょ？




。

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