紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

。。。 ページ37

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ボーカルでインタビューを受けたあと
全員でご飯に行くと言われてお店に来た３人。

リーダーたちとやましょーさんと翔平は仕事。





じゃあ、Aは？なんでいない？




「かんぱーい！」

12人の男に12人の女。

これじゃあまるで…


「吉野さん、新曲聴きました」


合コン・・・



騙された、と気づいて後悔する間もない。

相手は出版社の人たち。
目立ったことをすれば仕事に影響しかねない。



「見事にやられた…」

「これ、完璧に合コンですね」

項垂れる陸に冷静に語る樹。



「樹、なんて誘われたの？」

「ペットの雑誌見せたいって」

「猫かー」

「…Aも来るって聞いたから大人しく来たんですよ」

樹は舌打ちをする。




「慎くんはダンスすごいですね」

「まぁ、はい」

こんな場に来ない慎は水だけを飲んで適当に頷いてる。





「壱馬さんの声すっごく痺れましたっ」

いかにも壱馬狙いで露出の効いた服で
色仕掛けをされる壱馬は鼻で笑った。





「あっそう。もっと聞いたことない言葉で
褒めてくれんと俺は痺れへんけど？」



その程度の言葉でなびくほど
うちのセンターは安くないけども
女の子をあしらう姿も絵になるなぁ怖いなぁ




「吉野さん、聞いてます？」

「あ、聞いてませんでした。すいません」

北人は申し訳なさげに謝る。





きっとここにいる誰よりもAが――



そんなこともわかっているのに
ただ流れる時間に身を任せてしまったのだ。




結局全員が解放されたのは

日付を変えた深夜１時。



「おかえりー」

「あれ、やましょーさん」

帰ってきた俺たちを出迎えたのはやましょー。



「なぁ、A知らん？」

「え？」

「連絡つかんの。帰ってきてないし」




「は？」

「え？」


バタンッと勢いよくドアが開くと

翔平がドスドスと音が鳴るほどの足音でやって来て慎の胸ぐらを掴んだ。


「何してんだよ」

「・・・」

「頼んだよな？一緒に帰ってやってって」

「すいません…」


「樹、お前にも頼んだよな？」

翔平は慎を突き飛ばすと今にも
樹を殴りそうな勢いで睨みを効かせる。


「…ごめん」

「ごめんって「翔平」

陣さんが翔平の肩を掴む。




「とりあえず、もうみんな寝なあかん
明日も早いしさっさと風呂入って寝えな」


なっ、と笑う陣さんにそうせざるを得なくなり全員が部屋に入っていった。




そして



玄関の開く音がしないまま
夜が更けていった。


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