紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

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控え室に戻ると力矢さん以外誰もいなかった。



「あ、あれ？みんなは？」

「みーんなお誘い受けてご飯に行ったよ」


「力矢さんは？」

「俺はこのあとやましょーと予定あるから。
仕事のことだしそっちが優先かな」



力矢さんは眉を下げて笑う。




「Aは？」


「わ、私はお誘いなかったので帰ります！
女性の皆さんはそりゃほっとかないですよね
ランペはみんなかっこいいですもんね！」





みんな、みんな、かっこいい…

そんなことわかってる。


だから慎くんが誘われるのも仕方ないし
みんなが美人の大人とご飯に行っても

仕方ない・・・




「A」

「だ、大丈夫です！
ちゃんと帰って待ってます！では！！」


急いで着替えてスタジオを出た。




翔平がいないのもみんながいないのも
よくあることだけど

みんなが女の人と会ってるってわかってるのは
今までで初めてのことかも・・




♪〜♪〜

静かな１人の時間に浸る間もなく
携帯が音を発てる




「おっお疲れ様です」

『お疲れ様、A。今大丈夫かな？』

「は、はい！」

電話の向こうにいるのはHIROさん。



『ちょっと仕事の話があって』

「はい」

『明日、詳しく話したいんだけど
リハ終わりに時間あるかな？』

「あ、大丈夫です」


『大事な話になるからリハ終わり次第
４階の会議室来てもらえる？』


「は、はい。わかりました」



電話が切れると画面に向かって首を傾げる。


大事な話ってなんだろ？





「うーん、なんかモヤモヤする！」




まぶたを閉じると

ふいにあの人の顔が浮かんできた。





「ぬあっ！？なに！？なんで！？」

驚いて目を開けてしまう。




「……いやいやいや、まさか、まさかね…」


そんなことはない、と言い聞かせるように
頭を降って浮かんだ顔を振り払う。







「あれ、A？」


「あ…、」





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